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2012年9月28日(金)

主張

非正規雇用

正社員化が経済再生の基礎だ

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 非正規雇用の労働者の状態が深刻です。労働者の3人に1人が正社員になれず、将来が見通せない派遣や契約社員などの不安定な雇用や低賃金で働かされている現状は異常というほかありません。

 なかでも若者たちの多くが非正規で働かざるをえない状態におかれているのは、日本の将来にとって重大な損失であり、これ以上放置できない課題です。安定した雇用が保障され、安心して働ける社会の実現が急がれます。

不安定雇用が自立の妨げ

 大企業の身勝手なコスト削減と労働の「規制緩和」路線のもとで、非正規雇用の労働者は1990年代から増加し続け、働く人に占める割合はいまや35%台という高水準です。厚生労働省の「労働経済白書」(9月発表)は、非正規雇用の労働者の過酷な状態が進行している実態を浮き彫りにしています。

 ▽非正規雇用では年収200万円未満が多く、5年前との比較では低所得者の割合が上昇▽非正規雇用の労働者が自分の収入で家計を支えている世帯が増加しているのに、その収入は正規雇用の6〜7割の水準しかない▽契約社員の場合、2年未満の雇用契約が7割以上などきわめて不安定▽20〜34歳の結婚割合を男性でみると正規雇用者47・6%にたいし非正規雇用16・8%と約3倍もの大きな差がある―。非正規雇用が働く人の経済的自立を妨げています。

 白書は、日本経済の需要不足について「国内需要の大きな割合を占める家計消費を押し下げている最大の要因は所得の低下」と明記し、非正規雇用の増加が低所得者層の増加につながっている、とのべています。非正規雇用の拡大が日本経済の成長・発展を阻んでいるという指摘は注目されます。

 さらに「人件費をコスト」のみでとらえる企業の人減らし・非正規雇用化・賃下げを戒め、労働者を「人的資源」「内需の源泉」と位置づけることを強調していることは重要です。正社員化などの労働者の安定雇用と賃上げをはかることが、需要を拡大し、日本経済再生の基礎になることは明白です。

 ところが野田佳彦政権は、雇用の分野でも公約違反を続けています。10月から施行される改定労働者派遣法では、政府案にあった製造業派遣・登録型派遣の「原則禁止」条項が削除されるなど完全に骨抜きにされました。財界や自民党などの要求に応じた結果です。

 野田政権が国家戦略会議などで検討中の雇用対策をはじめとする「生活支援戦略」も小手先の対応ばかりです。しかも、そのわずかな対策についてさえ同会議に出席した経団連の米倉弘昌会長が「充実しすぎで骨太な若者が育つのか」などと水をかけています。同会議の分科会では、雇用は「有期を基本」とするという不安定・非正規雇用を拡大する方向まで打ち出しました。財界の利益ばかりを最優先し、労働者に犠牲を強いる政治は、日本の国の将来を危うくするものでしかありません。

大企業中心政治の転換を

 働く人がモノ扱いされ、使い捨てられる社会が発展するはずがありません。労働者派遣法や労働契約法の抜本改正など正社員雇用を当たり前とする働くルールの確立が欠かせません。財界いいなり政治と決別し、大企業に社会的責任をはたさせる政治への転換が求められています。


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