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2012年9月27日(木)

主張

自民党総裁選

“右傾化競争”の危険な結末

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 “右傾化競争”とさえいわれた自民党総裁選の結果、安倍晋三元首相が決選投票で石破茂元防衛相・前政調会長を破り、総裁に選出されました。安倍氏は首相時代、侵略戦争を美化する靖国神社への参拝や教育基本法改悪、改憲路線などを推進した自民党内屈指のタカ派です。民主党に次ぐ第2党の自民党総裁として、野田佳彦民主党代表と政権の座を争う立場です。野田首相も民主党内ではタカ派で知られており、タカ派同士が競い合い、日本の政治の右傾化をいっそう進める危険は重大です。

米紙も指摘した右傾化

 自民党総裁選の終盤、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは“右傾化する日本”についての論説を載せ、右傾化は「日本の指導者の反映だ」と、タカ派の野田首相や石破氏ら自民党の動向、「橋下・維新の会」の動きなどを紹介しました。「野田首相のあとに政権を担いそうな自民党は、さらに大胆な措置を取り、9条を徹底的に見直す憲法改定案を提示する」と指摘しています。

 自民党は、政権を民主党に奪われたあと綱領を改定し、保守政党・改憲政党としての立場を鮮明にしています。今回の総裁選には、安倍氏、石破氏らが立候補し、文字通り“右傾化”を競い合うものになりました。候補者がそろいもそろって改憲や集団的自衛権の行使、日米同盟強化、緊迫する領土問題での実力対決を主張するなど、まさに異常を極めるものでした。

 そうしたなかでも安倍氏が総裁に選出されたのは文字通り危険な結末です。安倍氏は小泉純一郎政権を引き継いで2006年に自民党総裁と首相に就任、在任中、「構造改革」路線を引き継ぐとともに、「戦後レジーム(体制)からの脱却」を掲げて「靖国」参拝問題や教育基本法改悪、改憲手続き法などを強行しました。わずか1年後の参院選で大敗、居座りをはかったものの臨時国会で所信表明演説をしただけで、代表質問も受けず辞任することになったのも、国民の批判の広がりによるものです。

 今回首相経験者としては前例がない形で総裁選に出馬した安倍氏の主張にも、国民が「ノー」を突きつけた路線への反省はありません。「憲法改正・教育再生に全力」「日米同盟をより強固に」など、タカ派路線をひた走る姿勢です。

 領土問題でも「国家管理を強める」ことを明言し、韓国が日本政府に謝罪と賠償を求めている日本軍「慰安婦」問題でも日本軍の関与を否定してかつての河野洋平官房長官談話の見直しを公言しているなど、日本の国際的孤立を招く道を突き進もうとしていることは重大です。5年前に国民がきびしい審判を下した、悪夢のような安倍政治の再現は許されません。

「二大政党」の破綻

 今回の総裁選が浮き彫りにした自民党の右傾化と、自らタカ派でもある野田首相の呼応した動きは、「自民か民主か」の「対立」を演出し、日本共産党などを国民の選択の外に置こうとした「二大政党」づくりの破綻を示しています。

 政治学者の小林良彰氏は近著で民主党への政権交代を取り上げ「政権交代をすれば政治が良くなるという神話」は破綻したと指摘しています。国民が願う政治の変革のため、アメリカいいなり・財界本位の政治の異常を根本から正す日本共産党の役割が重大です。


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