2012年9月26日(水)
尊厳ある労働 障害者に
国会内でフォーラム
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日本障害者協議会(JD・勝又和夫代表)は25日、「障害者労働・雇用国際フォーラム2012」を国会内で開きました。
松井亮輔法政大学名誉教授は講演で、障害者の労働・雇用は障害者雇用促進法に基づく一般就労と障害者自立支援法などに基づく福祉的就労に分かれてすすめられているため、障害者はさまざまな問題に直面していると指摘。労働施策と福祉施策を一体的に展開し、人的・物的支援や賃金補てんなど必要な社会的支援を提供して人としての尊厳を持って働く(ディーセントワーク)機会を障害者に提供する「社会支援雇用制度」を提案しました。
アナ・ローソン英国リーズ大学法学部上級講師とヨアヒム・シュトルケ前ドイツ連邦ソーシャルファーム連合副会長が、それぞれEUとドイツの障害者の雇用施策について講演しました。両氏とも、同施策の改善には、障害者の特別なニーズや能力などに着目し、本人中心の支援をする必要があると強調しました。
参加者から「障害者は障害者自立支援法では、就労支援を受けるため雇用契約と利用契約をし、利用料が発生する場合があるが、どう思うか」との質問が出され、ローソンさんは「おかしなメカニズムだ」と答えました。
JDの藤井克徳常務理事は「障害者にとって労働問題は、複合的な障壁となっている。一方、就労が困難な状況は障害者だけでない。尊厳のある働き方について社会の取り組み方が問われているときだ」と指摘しました。
福島淑彦早稲田大学政治経済学術院教授はスウェーデンの労働市場施策について話しました。