「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年9月26日(水)

自民党総裁選

領土問題 「同盟強化」の大合唱

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 尖閣諸島をめぐる日中間の緊張が高まるなか、自民党総裁選(26日投開票)の候補者から、日米同盟の強化や海兵隊の創設など、軍事対応の強化を求める発言が相次いでいます。

 安倍晋三元首相は「(尖閣諸島は)国家意思として断固守る。物理的に確保する必要がある」と主張。「今なぜ、尖閣であんな事態になっているのか。日米同盟関係が信頼関係を失ったからだ」と叫び、「集団的自衛権の行使」や「憲法改正」まで唱えています。

 石破茂元防衛相も「(尖閣諸島の)実効支配をさらに強め、拒否的抑止力を強める」「ありとあらゆるケースを考えて、抑止力を構築する」とこぶしを振り上げます。領土防衛などで、日本でも海兵隊が必要との持論を展開しています。

 石原伸晃幹事長も「日米同盟が揺らいだからこそ、その隙をついて、諸外国が私たちの領土、主権を危うくしようとしている」とあおり、林芳正政調会長代理は「右手で相手と握ってギリギリの交渉をし、左手は握り締めてこちらもたたかう用意があるということをきちっと示す」と語る物騒さです。

 しかし、そもそも尖閣諸島に関わる今の事態を招いたのは、日本の領有の正当性を理を尽くして中国側に主張する努力を避けてきた歴代・自民党政権です。

 尖閣をめぐる日本の領有の正当性は、歴史的にも、国際法上も、明らかです。にもかかわらず、歴代の自民党政権は中国側に対して日本の領有の正当性を一度も主張せず、日中間で領有問題を「棚上げ」にするというだらしのない外交態度を続けてきました。

 「領土問題は存在しない」という硬直した態度をとり続けてきたため、領有の正当性を主張すれば領土問題を認めることになるという自縄自縛に陥り、中国側の言い分に堂々と反論することもできない、外交上極めて弱い立場になっています。

 候補者5氏からは、そうした外交態度に対する反省の言葉は聞かれません。いたずらに軍事的な緊張を高める発言を繰り返すのでは、ますます問題解決を遠のかせるだけです。

 そのうえ、同党のもつ侵略戦争への根深い無反省が、解決をいっそう難しくしています。

 領土問題の解決には相手国の国民世論をも納得させるような対応が必要です。尖閣問題を「日本軍国主義の侵略」と考える中国側に、外交交渉によって堂々と領有の正当性を説くうえでも、過去の侵略戦争に対するきちんとした反省が必要です。

 ところが安倍元首相などは「総理在任中に靖国(神社)参拝できなかったのは痛恨の極み」と、総理・総裁として靖国参拝する狙いまで語っています。

 今回の自民党総裁選の顔ぶれで、領土問題の解決の見通しはまったく開けません。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって