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2012年9月26日(水)

きょうの潮流

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 子どものころ、育った村に時々、外の世界の空気を運んでくる人が現れました。行商人や旅芸人です▼苦手だったのは人形遣いです。一軒一軒めぐり、「三番叟(さんばそう)」などを演じます。「三番叟」が豊作の喜びをうたう演目と知るはずもなく、まるで生きているような人形の表情がこわくて隠れ回りました▼来てうれしかったのは、薬の行商人です。箱に入った置き薬を、足したり取り換えたりします。傷につける赤チンや、おなかをこわしたときの梅エキス。病院のない村の生活に欠かせませんでした▼薬売りの本場は富山です。消費税をなくす全国の会の「ノー消費税」10月号に、富山県の会世話人の藤田政治さんが、業者の抵抗の歴史を紹介しています。まず明治政府は1877(明治10)年、「売薬税」をかけてきました。西南戦争の戦費を生み出すために。次いで6年後の1883年から、消費税のような「売薬印紙税」を取り立てます▼同年、薬の生産額は前年の8分の1に、行商人は9700人から6000人に減りました。しかし、業者は泣き寝入りしません。汽車も通っていないころ、東京まで険しい道のりを歩き、むごい課税をやめよと陳情を繰り返す。売薬を盛んにするため、のちに富山大学薬学部に発展する教育の場づくりの運動をおこす…▼40年あまりのたたかいの末、1926年、ついに印紙税を廃止させました。いま、消費税増税の中止を求める富山の会。藤田さんは書きます。このあきらめない伝統を受け継いでいる、と。


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