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2012年9月21日(金)

国際部隊への攻撃急増

米の戦略に「痛手」の指摘

アフガン

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 【ワシントン=小林俊哉】米軍を中心としたアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に対して、アフガン国軍兵士による攻撃が多発しています。イスラム教を冒瀆(ぼうとく)した米国製映画への抗議の広がりとも重なり合って、米国のアフガン戦略に暗い影を落としています。

 今年に入って、多国籍軍に対するアフガン軍兵士からの「内部攻撃」はすでに37件を数え、死者は51人に上っています。同様の事件は、昨年の21件に比べ、急増しています。16日にも、米兵4人がアフガン軍兵士に銃撃され、死亡しました。

 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル19日付によると、事件の大半は、反政府勢力タリバンがアフガン国軍内に潜入して行ったものではなく、平均的なアフガン軍兵士が外国軍兵士によって侮辱されたと感じたことによるものだといいます。

 一方、イスラム教を冒瀆した映画に対する抗議活動も広がり、便乗するように米軍への攻撃も頻発しています。18日には、映画への抗議と称して反政府勢力がカブール空港近郊で自爆テロを行い、11人が死亡、このうち9人が外国人でした。

 ISAFは事態への対処として18日、アフガンの軍や警察との共同警備活動を大幅に縮小すると表明。国防総省のリトル報道官は「(問題の映画が)ISAFの警戒態勢の強化の原因となっている」と述べました。

 アフガン軍の育成・強化は、2014年中に治安権限をアフガン政府に移譲し、戦争を終結させるとしたオバマ政権の戦略にとって「中核的な要素」(米紙ニューヨーク・タイムズ)です。一時中止に追い込まれた共同警備活動は、米軍にとってアフガン軍への重要な訓練の機会とも位置づけられてきました。早くも、米軍の戦略に大きな痛手だとの指摘が出ています。

 米軍のデンプシー統合参謀本部議長は19日、今回の措置で14年中の治安権限の移譲という目標は損なわれないと主張。「(同措置は)戦術の一部変更であり、映画が引き起こした緊張と、脅威(となる対象)が変わってきていることへの対応だ」と述べ、「内部攻撃」によって米軍の戦略が変更を余儀なくされているとの見方を打ち消しました。


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