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2012年9月19日(水)

強制連行解決へ提訴書

被害の中国人 建設会社に

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 第2次大戦末期の1944年から45年にかけて、愛知県の旧大府飛行場(東海市・大府市)に連行され、強制労働をさせられた中国人被害者5人が、岩田地崎建設(本社・札幌市、当時・地崎組)にたいし解決を求める「提訴書」を出しました。

 被害者の唐燦(さん)さん(87)=湖北省黄石市=、楊東元さん(89)=北京市=らから日本の企業と話し合いたいので協力してほしいとの要請を受けた「大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会」が18日、提訴書を同社名古屋支店に届けました。

 提訴書は「毎日の労働時間は12時間以上の長きにわたっていました。重度の肉体労働に従事していたため栄養が極めて不足しており、病気になっても効果のある治療を受けられず、相次いで亡くなった」と訴えています。愛知県の7カ月間では5人が死亡。北海道の北見市、置戸町、赤平市を入れた1年7カ月では31人が死亡しました。

 被害者らは、企業から報酬も補償も受けておらず、被害者496人を代表して岩田地崎建設に謝罪と物質的・精神的損失にたいする補償、記念碑・記念館を建立することを求めるとしています。

 岩田地崎建設名古屋支店の山田隆支店長が応対。山田氏は「社長へ取り次ぎます。提出された文書も渡します」と答えました。申し入れをおこなった同対策委員会事務局長の冨田好弘氏らは1カ月以内に文書で回答するよう求めています。

平和と友好のため

 南守夫元愛知教育大学教授の話 戦後長い時間が流れたとしても、そして日本が長期の景気低迷の中にあるとしても、日本と中国の将来の平和と良好な経済活動を含む友好関係の構築のために、この強制連行・強制労働問題の解決は避けて通ることのできない問題です。


対策委の声明

 大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会は次のような声明を発表しています。

 国策として中国人強制連行を計画・実施した日本国政府も、直接の事業者として強制連行し強制労働をさせた地崎組も、さらに使役した三菱重工も、一切の謝罪も補償も行っていません。

  近年、生存者や遺族への聞き取り調査が行われ、2009年以来、地元の市民や玄猷寺(げんにゅうじ、東海市)の住職らの尽力で毎年追悼式が営まれるなどの活動の過程で大府飛行場中国人強制連行問題愛知対策委員会が結成されました。

 こうした取り組みの中で、生存者5人による岩田地崎建設に対する謝罪と補償を求める署名押印をした正式の文書が中国河北省の劉宝辰河北大学教授を介して愛知対策委員会に託されました。

  愛知対策委員会は、この要求を真摯(しんし)に受け止め、岩田地崎建設に被害者の要求文書を持参し、補償交渉を申し入れることを決定しました。被害者の要求実現に微力を尽くすことを表明し、愛知県や北海道をはじめとした多くの市民の皆さんの支持と協力を呼びかけます。

 
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