2012年9月19日(水)
再びウォール街行動 米NY
「大企業の横暴許すな」
「オキュパイ」1年 終日抗議
【ニューヨーク=山崎伸治】経済格差の広がりに抗議し、米ニューヨークの金融街、ウォール街を“占拠”する「オキュパイ運動」開始から1周年となる17日、およそ1000人の活動家がウォール街に繰り出し、「大企業の横暴を許すな」と抗議行動を終日、繰り広げました。
|
同日朝は、金融街の中心、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を封鎖する抗議行動を計画していましたが、同市警が抗議参加者に匹敵する数の警察官をNYSEにつながる道に配置してそれを阻止。参加者はその周辺をデモ行進しました。
「私たち(の運動)は新しい世界の入り口」「戦争はもうたくさん」「剰余価値の搾取を終わらせよう」「オキュパイ1歳の誕生日おめでとう」などと書かれたプラカードや横断幕、張りぼて、衣装を凝らした人たちがグループに分かれ、思い思いに金融街を練り歩きました。警察の指示に従わなかったとして、約160人が逮捕されました。
参加者は午後には、「オキュパイ運動」が始まったウォール街のズコッティ公園に集結。夕方には、フォーリー広場に場所を移し「人民の会議」と銘打ってまとめの集会を開きました。
昨年の「オキュパイ」にも参加したというケビン・モニハンさんは「米国の独立は事実上、英国の中央銀行からの独立だった。いまも連邦準備制度理事会(米国の中央銀行)が力を持ち続ける限り革命は成り立たない」と力説しました。
「ウォール街の夢は大企業連邦をつくること」と書かれた横断幕を掲げていたパットさんは「私たちの運動は始まったばかりだが、ウォール街の犯した罪を人々に知らせて、結集させていきたい」と決意を語りました。
「米国では多くの人が、学生ローンや住宅ローン、医療費のローンにまで苦しんでいる。借金はみんなの問題だ」というドミニクさんは、そのことを実感してもらおうと、「負債」と書かれた大きな作り物の岩に、自分や家族の抱える借金の額を書き入れるよう声を掛けていました。
この日、西海岸のサンフランシスコやカナダのトロントなどでも「オキュパイ運動」1周年を記念する集会が行われました。