「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年9月19日(水)

主張

欠陥機オスプレイ

運用見直しでなく配備中止を

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 米海兵隊が沖縄県の普天間基地への配備を決め、山口県の岩国基地へ陸揚げし、試験飛行を計画している新型の輸送機オスプレイについて、日米両政府で配備後の運用見直しの協議が進んでいます。合意すれば日本政府が「安全」を宣言、米側が試験飛行や沖縄への移動を強行する構えです。

 沖縄県民をはじめ国民が求めているのは、事故が相次ぎ危険な欠陥機オスプレイの配備を中止することです。運用見直しぐらいで安全が守られる保証はなく、もともと撤去が求められている普天間基地に新型機を配備すること自体、県民・国民を裏切るものです。

配備中止の一言もなく

 沖縄県民はつい先日も10万人を超す県民大会で、オスプレイ配備反対、普天間基地撤去の意思を表明したばかりです。その声も聞かず、オスプレイを普天間基地に配備するための準備を進めている日本政府は、まさにアメリカの代弁役を忠実に果たしているとしかいいようがありません。

 16、17の両日来日したパネッタ米国防長官に森本敏防衛相や玄葉光一郎外相が、オスプレイの配備中止をただの一言も求めず、両国の外務・防衛当局が参加する日米合同委員会で配備後の運用見直しについて合意すれば、試験飛行や配備を認めるなどと約束したのは、そのもっとも醜悪な姿です。

 とくに森本氏はオスプレイがモロッコやフロリダで起こした墜落事故について「人為的ミス」とする報告を自ら沖縄などに伝え、それでは納得できないと配備を拒否されています。沖縄などが配備を受け入れていないことを百も承知で、運用見直しを合意すれば「安全」だと宣言するというのは、県民・国民の意思を土足で踏みにじるもので、それこそどこの国の大臣かといわれて当然です。

 度重なる事故報告が浮き彫りにしたのは、オスプレイがちょっとした操縦ミスでも墜落などの重大事故を起こす危険な飛行機で、そのこと自体、構造的な欠陥の疑いが濃いということです。オスプレイは、プロペラが止まったとき自動的に体勢を立て直すオートローテーション機能がないなど、構造的な欠陥も明らかになっています。そうした危険な欠陥機が多少運用を見直したからといって安全に運用できるなどありえません。

 日米合同委員会での運用見直しについての協議は一両日中にもまとまるといわれていますが、伝えられているのは日本の航空法にもとづき一定高度以下の低空飛行を規制するなど当たり前のことばかりです。オスプレイは、ヘリのように離陸し、プロペラを倒して、飛行機のような飛行に移るさいがもっとも危険といわれていますが、その「転換」を基地内だけで行うと明記することにさえ、米側は難色を示しているといいます。それでも合意するのでは、政府が住民の安全確保をまじめに考えているとはとても思えません。

普天間基地即時撤去こそ

 もともと普天間基地は、周辺に住宅密集地が広がり、かつて米国防長官でさえ「世界一危険」と認めた基地です。日米両政府間で撤去することが16年も前に合意されているのに、その実行を遅らせ、そのうえ新型の輸送機を配備するなどというのは言語道断です。

 オスプレイ配備を中止させ、撤去を実行させることが重要です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって