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2012年9月15日(土)

拡大する 反米デモ

イスラム12カ国・地域に

冒とく映画問題

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 イスラム教の預言者ムハンマドを冒瀆(ぼうとく)したとされる米国映画に対する抗議活動が、イスラム諸国全域へと広がりつつあります。米政府は13日、映画の内容は「(制作した)個人の見解」で「政府は関与していない」と説明。事態の沈静化を図ろうとしていますが、イスラム教徒の怒りは収まりそうにありません。(外信部=野村説、ワシントン=小林俊哉)

米政府 関与否定、沈静化図る

 報道によると、映画を制作したのは、ユダヤ系米国人「サム・バシル氏」(仮名)で、在米のエジプト人ら15人が関与したといいます。映画の内容が、イスラム教徒の激しい反発を呼び、11日にはリビアで米国大使館が襲撃され、4人が死亡する事件が起きました。反米デモは、これまでに、クウェート、イスラエル、イラン、イラク、スーダン、チュニジア、バングラデシュなど12カ国・地域に波及しています。

 イエメンの首都サヌアでは13日、「アラーのほかに神はなし」と書いた横断幕をかかげたデモ隊が米大使館を襲撃。外交官の車両などに火をつけました。治安当局の銃撃で、4人の死者が出ました。

 エジプトの首都カイロでは、米大使館に押し寄せたデモ隊が米国に謝罪を要求。大使館を警備する警官隊とデモ隊の衝突が続き、12日夜以降に16人が逮捕されました。中東の衛星テレビ・アルジャジーラは、220人以上が負傷したと報じています。

 抗議の「標的」となっている米国のクリントン国務長官は13日、この映画について「胸が悪くなるような言語道断のものだ」と非難。「米政府は、まったく関与していない。われわれは、その内容もメッセージもまったく受け入れることができない」と強調しました。

 同長官は、米国に謝罪を求める声が出ていることについて、「われわれは、個人の見解表明を、それがどんなに不快でも、阻止することはできない」と説明。「表現の自由」についての理解を求める一方、暴力的手段を避けるよう求めました。

 しかし、イスラム教徒の金曜礼拝がある14日には、各地で、さらに大規模な行動が呼びかけられるなど、事態は当面、収まりそうにありません。

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