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2012年9月15日(土)

きょうの潮流

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 昨年、陸前高田の一本松を探していて迷いました。海の方角にみつけた1本の木をめざし、廃虚の街から歩いたのですが▼近づくと、どうも変です。津波にたえて踏ん張った木には違いないようですが、丸太ん棒みたいで枝がありません。君もがんばったが、一本松はどこに? あ、あれだ! さらに遠くに立っています▼迷ったせいで、余計に深く感じ入ったかもしれません。7万本の松原でただ1本、原形をとどめた松が無言ですべてを語っているようでした。「ひどかったよ」「大丈夫かい?」「ともに立ち上がろう」「3・11を忘れないで」…▼政府や国会にも、語りかけているようにみえました。「確かな復旧、復興で、被災地をよみがえらせて。進み具合をしっかりみているから」。しかし、現実はどうでしょう。復興予算のおかしな使い方が、次々と報じられています▼「日本全体の再生」や「地震対策」の名目で、岐阜のコンタクト工場の設備づくりや沖縄の国道工事に回す。霞ケ関の官庁の耐震工事にあてる。“少しは被災地も訪れるから”と外国の青少年を招く交流事業を復活させ、震災後の「過激派」の動きが心配だといって対策予算をふやす…。一方、被災地の商店街の復興や病院の再建への補助金は、「予算が足りない」とけちります▼保存のため先日切られた一本松も、さぞ悲しかったでしょう。税を納める人も復興国債を買った人も、声をあげていい。「話が違う」「こんな信用ならない政府が、消費税も増税するのだと?」


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