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2012年9月9日(日)

ベネズエラ大統領選

チャベス氏根強い支持

野党 製油所事故で政府追及

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 南米ベネズエラで新自由主義路線からの転換と対米自主外交などの改革を進めてきたチャベス大統領の4選がかかる大統領選挙が投票日(10月7日)まで1カ月をきりました。終盤を迎え、改革の阻止を狙う野党側は8月末に発生した製油所爆発事故を利用して政府の責任を追及する作戦に出ましたが、国民の多数を占める貧困層に支えられたチャベス大統領の優位は動かず、野党候補は支持率で大きく水をあけられたままです。(菅原啓)


 事故は8月25日、世界最大規模を誇る西部パラグアナ半島のアムアイ製油所で起こりました。ガスもれで貯蔵タンクが爆発し、40人以上が死亡しました。

 野党連合「民主統一会議」(MUD)の候補、カプリレス前ミランダ州知事を支援するマスコミや野党幹部は、事故の原因究明の結果も待たずに、必要な「投資や管理を怠った」として政府の責任を声高に論じ始めました。

 同製油所は国営ベネズエラ石油(PDVSA)の管轄。チャベス政権は2002〜03年、反政府勢力が管理部門を握っていたPDVSAの大規模ストを乗り越え、同社の実権を掌握。豊富な石油収入を貧困層支援や医療・教育事業に振り向ける社会開発政策を実践してきました。チャベス政権にとっては、改革のシンボル的な国営企業です。

 フェイスブックなどでは、事故発生前に家庭用ビデオカメラをもった不審な男が現場付近にいて、その映像がすぐに野党系テレビで流されたとの情報もあり、事前に準備された「謀略」の疑いも取りざたされています。

 事故後に発表された最新の世論調査では、チャベス大統領の支持率は約50%で、カプリレス候補を十数ポイント引き離す状況に変化はありませんでした。

 大統領は4日のラジオ番組で、「右派の多くの人たちはアムアイの悲劇が、われわれ(与党・政府)に影響を与え、事態を逆転させる出来事になると考えて、(喜びの)もみ手をしていた」が、政治的な「損害」はなかったと語りました。

 政策論戦では、カプリレス候補が、経済面での規制緩和などを主張。チャベス氏はこれまでの成果を宣伝するとともに、改革の継続を訴えています。

 カプリレス候補は貧困層を中心に人気の高い住宅建設や無料の医療制度などチャベス政権の開始した社会開発政策は維持すると表明。「進歩的な」装いを凝らすことに懸命です。

 これに対して、与党側は、カプリレス氏が02年のクーデター事件の際に、キューバ大使館襲撃占拠の先頭に立った人物で、とても進歩的とはいえないと批判。社会政策についても、同氏が署名した文書に、「民営化推進」の立場が記されていることを明らかにし、責任ある政府綱領を出して論戦するよう呼びかけています。


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