「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年9月9日(日)

二大政党の党首選

増税連合内の選挙の顔選び

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 通常国会が閉会し、民主、自民の二大政党の党首選をめぐる動きが本格化していますが、消費税増税連合の枠内での“選挙の顔”選びに終始しています。

「最大の成果」

 野田佳彦首相は7日の記者会見で、民主党代表選への出馬を表明。“有力対抗馬”と見られた細野豪志原発担当相は7日、不出馬・野田再選支持を表明しました。

 野田首相は同日の会見で、消費税増税法成立を「最大の成果」と誇示し、「決断できる政治を定着させる」と述べました。一方で「民主党に対し実に厳しい声があることは体感している」としましたが、公約違反に全く無反省。党内には、世論調査で政党支持率が1桁に落ち込むなか、「選挙をすれば党は消滅する」と絶望感が強まっています。

 細野氏出馬の動きをめぐっては、「野田内閣の主要閣僚の一人で、消費税増税や原発再稼働を支えてきたのに、政策の違いがあるのか」という疑問の声が強まっていました。

 「現政権の路線の転換」を掲げる一年生議員の会や、「新自由主義政策の弊害を除去」などの方針を掲げる「民主党復活会議」の対立候補擁立の動きも不調。およそ50人が参加する同会議の主要メンバーには、消費税増税賛成の議員も多く、選挙での生き残りに少しでも有利になるかが唯一の基準です。

 そのほか、赤松広隆元農水相、原口一博元総務相らが立候補の意向を示しています。

 野田再選の流れが強まるとされる一方、「野田再選なら離党」「TPP(環太平洋連携協定)や原発再稼働が進むなら分裂が広がる」という声が漏れるなど、野田首相の求心力は低下しています。

難航する自民

 自民党の側では、谷垣禎一総裁が出馬をめざす一方、同じ執行部から石原伸晃幹事長が意欲を示し、一本化は決裂。他方、町村信孝元官房長官が7日に立候補表明しました。

 谷垣、石原両氏は3党合意の当事者。町村氏も3党協議の実務責任者で、そろって増税戦犯です。谷垣氏は7日の会見で、消費税増税法成立が「一番特筆すべきこと」「3党合意が動いていく体制を自分の責任でやる」と野田首相と歩調を合わせました。

 立候補の意向をしめしている石破茂元防衛相、安倍晋三元首相も、増税路線に異論はなく、集団的自衛権の行使や、憲法改悪など、より右寄りの政治をすすめようとしています。民主党の自己崩壊を前に、自民党政治に対する国民の審判を忘れさっているかのようです。

他に玉がない

 政策の中身に違いがないなか、「谷垣では選挙は不利で、安倍(擁立)に批判があるのはわかっているが、他に玉がない」と述べる安倍元首相支持の議員の一人。ここでも選挙で有利か不利かが“顔選び”の基準です。

 谷垣氏は7日の会見で、自民党が政権を取り戻すのは「十分射程内に来ている」と強がってみせました。しかし、野田首相・民主党に向けられる「民主党が自民党化した」という批判は、根本的には自民党批判です。自民党の支持率もまた、政権転落時をさらに下回っています。(中祖寅一)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって