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2012年9月6日(木)

主張

財政試算

消費税に頼らない別の道こそ

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 内閣府が20年後までの財政試算を8月末にとりまとめました。それによると、消費税を10%に増税しても2020年度に基礎的財政収支を黒字にする政府の目標は達成できないとしています。

 基礎的財政収支は、その年度の政策的経費を借金に頼らずにまかなえているかを示す指標です。試算を受けて古川元久経済財政相は記者会見で、いっそうの社会保障抑制と国民負担増に言及しました。消費税率を10%にとどめず、さらに引き上げる姿勢です。

何度国民を裏切るのか

 民主党は09年の総選挙で消費税を増税しない、増税を決めることもしないと公約しました。10年にはその公約を「社会保障のため」といって覆して消費税増税に乗り出しました。12年、今国会で民主党は自民、公明両党と談合し、消費税増税法とともに社会保障を解体させる「社会保障制度改革推進法」を成立させました。消費税増税法には財源を大型公共事業に回す条項まで盛り込みました。

 毎年毎年、どれだけ国民を裏切ったら気が済むのか。しかも今度は財政試算を口実にして、ますます社会保障を削り、消費税をもっと増税しようというのです。

 この財政試算を政府は「経済財政の中長期試算」と呼んでいます。しかし、その実態は政府が掲げている政策効果の建前を前提として財政の推移に組み込んだだけの、まさに机上の計算です。

 例えば試算は消費税増税の影響は駆け込み需要とその反動減で差し引きゼロになるとしています。消費税増税で物価が上昇して所得を減らす悪影響は小さく、それに比べて物価上昇による名目成長率の押し上げ効果は大きいとも見積もっています。あきれるほど消費税増税に楽観的です。

 経営余力の乏しい中小企業は、駆け込み需要とその反動減による需要の激しい変動で大波にもてあそばれる小船のように経営を揺さぶられます。とりわけ反動減は増税の開始と同時に始まるため、落ち込みは深く長くなります。

 大手金融トップからも「(駆け込み需要とその反動減を)ならしてみれば大したことはないというのは、現場をみない学者の考え」(細谷英二りそな会長、「日経」8月20日付)と批判が上がるほどです。加えて中小企業には、消費税を販売額に転嫁できずに身銭を切らされる問題が重くのしかかります。

 10%への消費税増税が所得を目減りさせる影響を試算した大和総研によると、年収300万円の世帯で約10万円におよびます。国民は買い物のたびに消費税負担の倍増を実感させられます。消費税増税が内需の6割を占める家計消費を直撃することは明らかです。

 消費税増税の影響は雇用や賃金におよび、経済を長期にわたって冷え込ませます。経済が悪化すれば税収も減り、政府の財政試算は土台から崩れます。

危機を打開する「提言」

 社会保障は切り捨てから再生・充実の方向に切り替え、財源は消費税に頼らない別の道を探す以外に日本の経済・財政、暮らしの危機を打開する道はありません。その道を具体的に提案しているのが日本共産党の「社会保障充実、財政危機打開の提言」です。

 国民の世論と運動、日本共産党の前進で消費税増税を中止に追い込んでいこうではありませんか。


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