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2012年9月2日(日)

シリア政府に第一義的責任

国連総長 重火器使用停止など要求

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 【カイロ=小泉大介】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は8月31日、非同盟諸国首脳会議出席のため滞在していたイランの首都テヘランで、シリアのハラキ首相、ムアレム外相と会談しました。内戦状態にある同国の状況打開に向け、重火器の使用停止などシリア政府が責任を果たすよう強く求めました。


 潘事務総長は会談で、「現在の時点で重要なのは、(政府軍と反政府武装組織の)双方が暴力を停止することである。双方に武器を提供しているとされるものたちも、それを停止しなければならない」と表明。一方で、「第一義的な責任はシリア政府が負わなければならず、重火器の使用を停止しなければならない」と要求しました。

 また、人口の1割以上に上る約250万人が内戦の影響を受けているとされるなか、潘事務総長は食料や健康面など国際的な人道支援活動の強化を受け入れるよう促しました。

 ハラキ首相らの反応は不明ですが、この日、シリアと「同盟」関係にあるイランの最高指導者ハメネイ師と会談した同首相は、「シリア政府は政治改革と国民的対話の準備を進めつつも、すべてのテロリスト組織と対峙(たいじ)し、これらが支配する地域から追い出すことを決意している」と述べ、攻撃継続の姿勢を表明しました。

 ハメネイ師は29日に会談した潘事務総長から、「シリアの暴力のすみやかな停止と対話の条件づくりのため、イランがシリア政府に対し影響力を行使する」よう求められていました。しかしハラキ首相との会談で同師は、暴力の事態は「受け入れられない」としつつ、「シリア政府は犠牲者である」などと述べ、「同盟」関係を堅持する立場を示しました。

 シリア情勢をめぐっては、隣国イラクのマリキ首相が31日、テヘランで会談したハラキ首相らに対し、独自の政治的解決策を提示したと表明しました。解決策は、アラブ連盟の関与のもとで国民対話を実現し、政府派と反政府派の双方を含む挙国一致政府を樹立することなどが柱とされます。マリキ首相は会見で、シリア政府側の反応は「積極的なものだった」と述べました。


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