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2012年8月31日(金)

「秘密保全法制」

何が“秘密”か政権次第

弁護士らシンポ 東京

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 野田内閣がすすめようとしている秘密保全法案で守ろうとしている“秘密”とはどんなもの?―。30日に都内で行われたシンポジウム「秘密保全法制は必要か?」で、外務省で多くの外交秘密に関わった孫崎享(まごさき・うける)さんらが、“秘密”のあいまいさを指摘しました。東京弁護士会の主催で弁護士や市民ら約100人が参加しました。


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(写真)東京都内で30日、開かれたシンポジウム「秘密保全法制は必要か」

 秘密保全法制は、国の省庁などが指定する「特定秘密」を外部に漏らす行為を重罰で取り締まる法制です。

 元外務省国際情報局長の孫崎氏は、「政権にとって、良い漏えいと悪い漏えいがある」として米国のオバマ政権の7件の情報漏えい事件での対応を紹介。

 国際テロ組織アルカイダやイランに対して、オバマ大統領の“強い”対応を印象づける情報については、刑事訴追がなかったと説明。一方、政権の不都合情報を暴露した3件については、「オバマ政権は訴追をOKにした」とのべました。

 孫崎氏は、「為政者に中立公正な情報開示を期待しにくい。どうしても政権を正当化する特定の情報しかださなくなり、政策決定をゆがめていく」と指摘。「(秘密保全法制のような)規制はできるだけないようにしないと、国民を守るための情報も出てこない」と危険性に警鐘をならしました。

 パネリストの毎日新聞編集委員の大治朋子(おおじ・ともこ)記者は、アフガニスタン国内に米軍が置いた収容所について取材した経験を報告。収容所での自殺者数について情報公開請求から2年以上たっても開示されない一方、オバマ政権が「縮小・廃止」を成果とするグアンタナモ収容所は、積極的な情報開示が行われている点を指摘しました。

 主催者あいさつした東京弁護士会の斎藤義房会長は「憲法1条の国民主権を守るために大切なものは情報です。正確な情報提供がなければ国民を間違った方向に導くことになりかねない」と語りました。


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