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2012年8月25日(土)

きょうの潮流

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 福島第1原発で5人目の犠牲者が出ました。50代。死因は急性心筋梗塞です。死に至るまでの経過をみると、いかに命が粗末にされている現場であるかがわかります▼そういえば、エネルギー政策を決める意見聴取会で「福島原発事故で放射能の直接的な影響で亡くなった方は一人もいない」と述べた中部電力社員もいました。同社員は、「今後5年、10年たってもこの状況は変わらないと考える」とも話しています。なぜ、そう言い切れるのか。労災認定を事前に封じるかのような、ものの言い方です▼ETV特集「ルポ 原発作業員」は、下請けで働く作業員の苦悩を映し出しました。自分を特攻隊に重ね、「(被ばく)線量を分け合うしかない」と話すベテラン作業員。「家族を守るため、生活のためだね」。傍らの妻に笑顔はありません▼第1原発で働く6割が地元福島の人だそうです。原発事故で仕事を失い、やむをえず原発で働き始めた若者もいます。原発事故の被災者が原発に頼らなければ生きていけない構図がそこにはあります▼映画「放射線を浴びたX年後」(9月15日から公開)は、ビキニ環礁の水爆実験で「死の灰」を浴びた高知の漁師たちのその後を追跡したドキュメンタリーです。何の補償もなく、ひっそりと死んだ漁師たち。遺族は「運命と思うしかないですね」と▼事故後、福島第1原発で働いた作業員は2万人を超えるといいます。今後5年で4万人必要とも。同じ過ちを繰り返しては、死んだ漁師たちが浮かばれないでしょう。


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