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2012年8月6日(月)

病院・診療所の消費税(損税)

医療界ゼロ税率要求

財務相「税収失われる」と拒否

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(写真)診療所の窓口=東京・大田区内

 病院や診療所が転嫁できずにかぶっている消費税(損税)は、日本医師会(横倉義武会長、会員16万6千人)の試算で2330億円(2010年度推計値)にのぼります。

 政府は、損税の問題点は認めたうえで、消費税の10%への増税後も「診療報酬で対応していく」(安住淳財務相)としています。診療報酬とは、医療機関に支払われる医療の値段のことで、国が決めています。診療報酬を一定程度引き上げることで、損税分を手当てする方針です。

 しかし、かかった医療費の原則3割が患者負担なので、損税を解消するために診療報酬を引き上げれば患者負担も上がります。医療を非課税としていることと矛盾します。

 この間、診療報酬は引き下げか据え置きされてきたのが実態です。そのため各県の医師会などからも、「損税が解消できるだけの引き上げがされるのか」「このままでは医療機関は立ち行かない」という声が噴出しています。

 現在、厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で、高額な機器の購入などへの対応を含め、具体的にどうするのか検討されています。

 安住財務相は、「とても病院を経営していられない」という声があるのを認めつつ、「(医療機関に)適切なある程度の負担だけはぜひお願いしたいという気持ちもある」と発言(7月25日、参院社会保障・税特別委員会)。損税の完全な解消を放棄する姿勢を示しています。

 7月27日の中医協の分科会では診療側の委員から、「最初から負担をかぶらなきゃいけないという会であれば、席に座っていづらい」と反発の声があがりました。

 日本医師会は、仕入れにかかった税の控除ができる税制を要望しています。全国保険医団体連合会(住江憲勇会長、会員10万4千人)や日本共産党などは、その具体策として医療費の「ゼロ税率」導入を求めています。ゼロ税率にすると、仕入れにかかった消費税が還付されます。患者も、消費税負担を一切負わずにすみます。

 輸出企業の場合、輸出品に転嫁できない消費税分が戻し税として還付されています。医療機関が払う消費税も還付すべきだという医療界の要求は、当然です。

 しかし政府は「兆円単位の税収が失われる」(安住財務相)として拒否しています。


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