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2012年8月2日(木)

きょうの潮流

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 駅前で、業者が宣伝用のうちわを配っています。涼しさが竹製におよばないプラスチック製でも、たまらなく暑いときはありがたい▼国語の大家、故・金田一春彦を悩ませた言葉に、「左うちわ」があります。辞書は「左手でうちわを使うこと、安楽な生活をすること」と説明する。では右手は何に使ったのだろう、と▼さかずきを持つ? はべらせた女性を抱く? まるで、時代劇の大名風、あるいは風刺画に出てきそうな成金風です。しかし、金田一博士はまだ納得しません。左利きでなければ、左うちわで涼しい風は期待できない。おかしい…▼そこで彼は、次のような説を発見し、おもしろがっています。主が床の間を背にしてすわると、右側の庭から風が吹いてくる。主の、右手にさかずき、左手に女性。さて、左側にもう1人はべらせ、うちわであおがせる。つまり、「左うちわ」だ▼うーん。考えすぎとも思えるのですが、便乗してたとえると、今風のこんなありさまが浮かびます。外の炎天下に、汗水たらして働き税を納める民がいる。部屋の主が左側のうちわをあおがせると、消費税の増税でまきあげたお金がとんでくる。ゆとりができたとばかり、涼しい顔の主の右手に公共事業、左手に大企業向け減税―▼もっとも、「左うちわ」には、「左手でゆっくりとうちわを使うこと。転じて安楽な生活を送ること」という解説もあります。重税など気にしないですむような、穏やかな暮らし。誰もが「左うちわ」の社会こそ望ましい。


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