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2012年7月29日(日)

9・30事件の虐殺は人権侵害

責任者訴追検討へ

インドネシア

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 【ハノイ=面川誠】インドネシアの検察当局は28日までに、1965年9月のクーデター未遂事件(9・30事件)をきっかけに軍が主導した共産党員の大虐殺をめぐり、責任者の訴追が可能かどうか検討に入りました。国家人権委員会が今月23日に「大虐殺は人権侵害」との調査結果を発表したことを受けたものです。

 国家人権委員会は4年にわたる調査結果について、大虐殺は「深刻な人権侵害であり人道に対する罪」だと非難。政府に対して公式謝罪と被害者への補償、被害者と加害者の和解措置を勧告していました。

 ユドヨノ大統領は25日、加害者訴追の可能性について、「私は検事総長に対して、調査の上で報告するよう指示した」と現地記者団に述べました。

 バスリフ検事総長は、2000年以前に起きた人権侵害事件については、法の規定に従って国会の決定と大統領の承認を経た特別法廷の設置が必要だと指摘。「人権委員会による調査の後は、われわれに引き継がれる」と述べ、訴追検討に入ることを表明しました。

 行方不明者家族会のムギヤント会長は現地紙に、「司法措置だけでは不十分だ。補償、名誉回復、事実を広く知らせることが必要だ」と指摘。大統領諮問委員会のハシブアン委員は「人権侵害の犠牲者を含む国民和解を成し遂げるための、重要な入り口に立った」と歓迎しています。

 9・30事件を契機に故スカルノ大統領は失脚。その娘のメガワティ・スカルノプトリ元大統領が党首を務める闘争民主党は、ユドヨノ大統領が政府を代表して謝罪するよう要求。「和解の場をつくり、古い世代の対立が新しい世代に引き継がれないようにして、暗い歴史の幕を閉じるべきだ」との談話を発表しました。


 9・30(きゅうさんまる)事件 インドネシアで1965年9月30日に発生した軍内部「左派」の将校によるクーデター未遂事件。当時のスハルト少将(68〜98年、大統領)を中心とする陸軍は、インドネシア共産党が事件に「関与」したとして弾圧。アイジット書記長など指導部をはじめ数十万人に上る党員と家族、支持者らが虐殺され、300万人いたとされる同党は壊滅しました。


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