2012年7月29日(日)
ロンドン発 鼓動
次世代へ「友情と平和」
注目された聖火の最終点火者は、どんな有名な選手でもなく、7人の10代の若者たちでした。
笑顔をみせながら、ゆっくりと走る少年少女。そこに、今大会のメッセージがこめられていました。
ロンドン五輪の組織委員会は開催が決まってからここまで、世界各地の子どもたちにたいし、スポーツの普及とそれを通じた教育活動に力を注いできました。
スポーツのもつ力が、子どもたちの未来をつくり、彼らがスポーツの未来を創造する―。それが、近代スポーツ発祥の地としての、責任と義務だと自覚しているのかもしれません。
ロンドン五輪組織委員会のセバスチャン・コー会長はこうあいさつしました。「五輪は世界の人々を協調し、友情と平和の絆で結びつける。スポーツには真実と純粋さの精神がある。すべてを超えてインスピレーションを与えたい」
人生を変えるような大きな気づき。このオリンピックで、選手たちのすばらしいプレーとともに「友情と平和の絆」が生まれ、「真実と純粋さの精神」が発揮されたとき、それは世界中の人々、とりわけ子どもたちの明日にとって、何よりものプレゼントになるのではないか。
若者たちが点火した、参加国と同じ204個の花びらが、中央に持ち上がり、一つの大きな聖火となったとき、そんな思いが頭をよぎりました。
(ロンドンで和泉民郎)