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2012年7月23日(月)

銃規制 今度も動かぬ米政界

乱射 後絶たぬ犠牲者

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 【ワシントン=小林俊哉】12人の死者を出した米西部コロラド州オーロラでの無差別銃撃事件は、銃乱射による犠牲者数では9番目となる惨事です。オバマ政権になっても銃がからむ事件は後を絶たず、10人以上の死者が出た事件だけでも4件目(表)。それでも、米政界には銃規制の強化に向けた機運は出ていません。


 オバマ大統領は20日、「この悲劇から学ぶべきものがあるとすれば、それは生命とはもろいものだということだ」と発言。カーニー大統領報道官も同日、銃規制に向けた姿勢を問われ、「常識的な方策が必要だ」と述べるだけで、規制強化に踏み込みません。

 オバマ氏は、憲法修正第2条で国民には武装の権利が認められているとする立場。2011年1月にアリゾナ州トゥーソンで6人が死亡、連邦下院議員が重体となる乱射事件が起きましたが、オバマ政権は銃規制の強化に向けて取り組みませんでした。

 今年2月にフロリダ州で発生した白人男性による黒人少年の射殺事件の際も、銃による「正当防衛」を広く解釈する州法が問題となりましたが、政権側は静観を続けています。

 野党・共和党も銃所持の“権利擁護”の急先鋒(きゅうせんぽう)です。大統領候補の指名が確実視されるロムニー氏は20日、犠牲者への哀悼の意を表明したものの、「銃所持者の権利を損なう法律は作らない」というのが公約です。

 今回の事件では、容疑者が約2カ月間のうちに、ライフル、ショットガン、拳銃2丁と銃弾6000発以上を合法的に購入していたことが判明しています。

 政界が銃規制の強化に動かない背景に、業界の激しいロビー攻勢と大きな影響力があることは、長く指摘されてきました。全米ライフル協会(NRA)は銃規制反対の最大の圧力団体です。400万人の会員を抱え、秋の大統領選でもバージニア州やオハイオ州といった選挙結果を左右する州に強い影響力を持つと指摘されます。

 米紙ワシントン・ポストのコラムニスト・E・J・ディオン氏は21日付の同紙で、NRAの圧力が銃規制議論を封じ込めていると批判。伝統的に銃規制に反対してきた共和党は「銃ロビーとの同盟」を組み、一方の民主党は「おじけづいている」と指摘し、「再発が防げない理由はこれだ」と主張します。


オバマ政権下、10人以上の死者が出た事件
2009年3月 アラバマ州で男が10人を殺害して自殺
同4月     ニューヨーク州の移民支援団体の建物に男が押し入り、13人を殺害
同11月    テキサス州の基地で軍医が13人を射殺
12年7月   コロラド州の映画館で男が銃を乱射、12人が死亡


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