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2012年7月20日(金)

きょうの潮流

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 ドイツ東部のケムニッツは、チェコに近い人口24万人あまりの町です。12世紀につくられ、19世紀から工業で発展した歴史をもちます▼1カ月ほど前、興味深い話題が伝わってきました。ケムニッツの銀行が、カール・マルクスの銅像を描くカードを発行し人気を得ている。3人に1人が、ひげをたくわえたマルクスのカードを選ぶ…▼ケムニッツの東ドイツ時代の名前は、カール・マルクス・シュタットでした。そう改名された1953年は、ソ連のスターリンが死んだ年です。日本共産党創立90周年記念講演会で不破哲三さんが告発した、独裁者スターリンです▼スターリンは、ロシア革命に生涯をささげた大勢の人々の命をテロで奪い、権力を一身に集め、ドイツのヒトラーとも組んで覇権を追求しました。東ドイツは、彼が勢力圏の国におしつけたソ連型体制の「優等生」とよばれました▼カール・マルクス・シュタットに建てられた、首から上の大きなマルクス像も居心地が悪かったでしょう。東ドイツは、彼がめざした自由で搾取もない社会とは、似ても似つかぬ国だったのですから。ベルリンの壁が崩れてドイツが統一すると、町の名前から「マルクス」は消え、ケムニッツに戻りました。しかし像は残され、いまも観光名所です▼不況が長引き、東ドイツをなつかしむ人もいます。しかし、銀行カードにも描かれたマルクスの願いは、理論の本来の姿を復活させ現代に生かす、「科学的社会主義のルネサンス」(不破さん)でしょう。


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