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2012年7月19日(木)

繊維労働者2万3000人スト

他都市へ広がる勢い

エジプト

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 エジプトのナイルデルタ(三角州)都市マハッラで、汚職にかかわった責任者の解任や賃上げなどを求めて繊維産業労働者2万3千人がストライキを続けています。昨年2月のムバラク前政権崩壊後としては最大規模の行動で、スエズやアレクサンドリアなど他の主要都市や陶磁器産業など他の産業にも広がる勢いを見せています。 (松本眞志)


 ロイター通信によると、繊維労働者がスト入りしたのは16日。国営のミスル紡績織物会社では同日、労働者7千人が、会社の利益の労働者への再配分、最低賃金の引き上げ、汚職に関与した官僚の処罰、会社経営の病院の待遇改善などを主張して工場内で座り込みを行いました。

 ストを指導した活動家の1人、ウェダド・エルデメルダシュさんは「モルシ大統領に対し、彼を選んだ労働者たちに注目するよう呼び掛けている」と強調。要求が受け入れられるまで座り込みを続けるとしています。

 マハッラ市は国内有数の繊維産業都市。2008年4月6日にも労働者たちは賃上げを求める大規模行動を起こし、1人当たり食料配給額月120エジプトポンド(約1560円)を210エジプトポンド(約2730円)へ引き上げることを認めさせました。これはムバラク政権打倒を求める運動の先駆けになりました。若者が結成した民主団体「4月6日運動」は、この争議の勝利を記念して名付けられました。

 今回のストについてエジプト英字紙デーリー・ニューズ18日付は「大規模抗議行動はマハッラ市を再び労働運動の最前線にした」と指摘。ムバラク政権打倒に貢献した若者の組織になぞらえて「もう一つの“4月6日運動”がつくられつつある」と報じています。

 今年6月にイスラム主義勢力・ムスリム同胞団のモルシ氏が大統領に就任して以降、首都カイロでも失業と低賃金に対する小規模抗議行動が起きており、モルシ氏の対応が注目されています。


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