2012年7月16日(月)
周辺諸国が非難
シリア虐殺 孤立が鮮明に
【カイロ=小泉大介】シリア中西部ハマ県タラムセで12日に発生した、政府軍や親政権民兵により200人以上が殺害されたとされる過去最大規模の大虐殺について、周辺国は14日、これを激しく非難する態度を示し、アサド政権の国際的孤立が改めて鮮明となりました。
アラブ連盟(21カ国とパレスチナ自治政府が加盟)のアラビ事務局長は14日、大虐殺について「民間人にたいする憎むべき犯罪」とする声明を発表しました。
声明は、「この犯罪の責任は、民間人に対し戦車やヘリコプターからの砲撃までおこなったシリア政府にある」とした上で、「シリア政府に暴力を停止させるためにはもはや、国連安全保障理事会が拘束力を持つ決議を採択する以外に選択肢はない」と強調しました。
アラブ連盟は同日、シリア問題に関する外相級会合を22日にカタールの首都ドーハで開催することを決めました。
一方、かつてはシリアと「同盟」関係にあったトルコのエルドアン首相も14日、「この非道な大虐殺、非人間的で野蛮な行為は、政権が終末に向かっていることの証しにほかならない」「遅かれ早かれ、シリア国民は血塗られた手を持つ独裁者に代償を支払わせるだろう」と表明しました。
現在もシリアと同盟関係にあるイランの外務省報道官は14日付の地元紙で、「イランはシリアに安定をもたらすため、ふさわしい役割を発揮する用意がある」「シリアの危機が地域全体に拡大することを防がなければならない」と述べました。