2012年7月13日(金)
南シナ海 規範の協議先送り
ASEAN・中国外相会議
【プノンペン=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国は11日、ASEAN議長国カンボジアの首都プノンペンで外相会議を開きました。ASEAN側は「南シナ海行動規範」策定の協議入りを提案。中国の楊潔篪(ようけつち)外相は積極的に検討すると述べましたが、協議開始時期については明言を避けました。
ASEANと中国は8日の高官協議で、9月以降に事務レベル協議入りすることで原則的に合意していましたが、外相レベルでの合意は先送りされました。
2002年にASEANと中国が採択した「南シナ海行動宣言」は、領有権紛争の平和的解決や協力事業の促進などをうたっていますが、法的拘束力がありません。ASEAN側は外相会議で、法的拘束力を持つ行動規範の「主要な要素」を提示。これを基に協議入りするよう求めました。
しかし、南シナ海のほぼ全域の領有権を主張する中国側は、「紛争を平和的に解決する仕組みの設置」「排他的経済水域(EEZ)の尊重」などが盛り込まれた素案に対して、主権侵害の恐れがあると批判。ASEAN側が用意した「主要な要素」を受け入れず、素案づくりから共同でやり直すよう主張しました。
中国の傅瑩外務次官は記者団に、「中国は(協議入りの)提案を真剣に検討する。条件が熟したときに協議を開始できることを望んでいる」と述べました。