2012年7月8日(日)
労働規制の強化必要
東京 高速バス事故考える集会
「高速バス事故はなぜ? 原因と対策を考える」市民集会が6日夜、東京都内で、日本弁護士連合会の主催で行われました。川村雅則北海学園大学経済学部准教授が「規制緩和と交通労働」と題して基調講演し、国土交通省やバス、地下鉄、航空、トラックなど運輸労働者が報告しました。
川村氏は、職業運転手は、「過労死」が一番多い職種であり、長時間・不規則・深夜労働を特徴としていると指摘しました。その背景に「規制緩和」(2000年)があり、事業者や車両台数が増えた半面、営業収入が落ち込み、「安い運賃でも仕事をせざるを得ない状況がある」と報告。「労働規制の強化が必要」と訴えました。
参加者の質問に答えるなかで川村氏は、07年の大阪のスキーバス事故後もバス事業者の法令違反がなくならないなか、12万の運送事業者に対し、監査業務を行う国交省の職員は300人にすぎないと指摘。監査には限界があり「参入規制」こそ必要ではないかとただしました。国交省自動車局の担当者は、監査体制の強化、参入規制も含めた検討をしていると答えました。
高速バス会社をかかえる「全国自動車交通労働組合総連合会」の菊池和彦書記次長は、規制緩和後、バス運転手の賃金が大幅に低下したこと、「スポット」と呼ばれるアルバイト、日雇い的雇用がまん延していることを報告。1日20時間以上も運転手を拘束する旅行会社のツアー日程を示し、バス会社に無理な運行や低価格を強いる「旅行会社」の責任を問う必要性を訴えました。
地下鉄駅職員の「東京交通協力会労働組合」の上村武道書記長、「航空労組連絡会」の中川明副議長、トラック運転手の「全日本建設交運一般労働組合中央本部」の赤羽数幸書記長も報告、参加者と討論しました。