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2012年7月8日(日)

シリア 政治解決を

国連事務総長が提案

アサド氏排除の潮流も

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 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は6日、国連シリア停戦監視団要員削減と問題の調停強化を提案する報告書を安保理に提出しました。同日開かれた「シリアの友人」会合は「アサド大統領排除」を鮮明に打ち出し、政治的解決をめざす国連との違いを浮き彫りにしました。(松本眞志)


 潘氏の提案は、監視団の装備が不十分で、当事者に停戦を強制できず、住民から批判の声が上がったことを踏まえたものです。

 潘氏は、アナン国連・アラブ連盟特使が先に示した調停が崩れつつあるなか、監視団の増員や装備の充実によって停戦の強制力を強める方向ではなく、アサド政権をあくまで当事者とみなし、反政府側との信頼醸成や政治対話促進に軸足を移し、調停努力の強化によって事態の改善を目指そうとしています。

 一方、同日にフランスの首都パリで開催された、第3回「シリアの友人」会合は国連とは対照的に、シリアの移行政権から「アサド大統領を排除する」ことなどを含む国連安保理決議採択を要求する声明を発表しました。

 声明は、「その存在が政権移行の信用を損なうものは排除される必要がある」とアサド氏の移行政権参加を否定。移行プロセス促進のため、経済制裁などの非軍事的措置を盛り込んだ安保理決議の採択を求めています。反体制派に対しては、武器以外の通信機材などを提供するとしています。

 会合に参加したオランド仏大統領は、「シリア問題が国際的な平和や安全保障に対する脅威となることをこれ以上放置できない」と主張。クリントン米国務長官は、実効性と即効性のある安保理決議を求めました。


 「シリアの友人」会合 欧米やアラブ諸国、日本など約100カ国が参加(ロシアと中国などは不参加)。初の会合は今年2月にチュニジアの首都チュニスで、2回目は4月にトルコのイスタンブールで開かれました。初会合でシリアのアサド政権の人権侵害を非難する一方、反体制勢力に対しては結束を呼びかけて支援を表明しました。


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