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2012年7月8日(日)

きょうの潮流

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 朽ちてきたアジサイにかわり、白や紅のムクゲが路地を彩ります。韓国の国の花ムクゲは、万葉集の時代、すでに日本に伝わっていました▼いま「在日」とよばれる韓国・朝鮮人の多くは、102年前の「韓国併合」のあと日本に来た人や、彼らの子孫です。先の大戦が終わって朝鮮が解放されても、60万人が帰国できず日本にとどまりました▼なぜ60万人が? 東京・新宿区の高麗博物館の「『韓国併合』100年と在日韓国・朝鮮人」展・戦後編(8月26日まで)は、そこから説き起こします。鄭秉春(チョンビョンチュン)さんの半生が「在日」の戦後を物語ります▼1917年生まれ。12歳で済州島から大阪へ渡り、縫製工場で働く。戦後帰り結婚し、7人の子どもに恵まれる。しかし48年、アメリカ軍支配下で住民が虐殺された4・3事件に巻き込まれ、再び日本へ。東京で働きに働き、女手一つで子を育てる。オリンピックのさい、在日の住む地区の立ち退きにあう。長女は済州島、三女は北朝鮮へ帰った…▼祖国の分断。日本での差別。展示には、苦難の中で人権を求めてたたかう「在日」の姿もくわしい。東日本大震災の記録も紹介します。全壊した仙台の朝鮮初中等学校に、行政の支援はなし。学校は、全国の「在日」から次々届く救援物資を、地域の日本の学校への差し入れや炊き出しにも回しました▼担当者が全国を歩き、記録を掘り起こし、ぼう大な活字を読みこなして企画した展示。なにより、日本はアジアでどう生きてゆくか考えさせられます。


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