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2012年7月2日(月)

きょうの潮流

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 視聴率の低迷が話題になるNHK大河ドラマ「平清盛」に宋との密な関係がよく登場します▼宋は10〜13世紀、中国に存在した帝国です。唐や明清と比べ、日本ではいま一つ影が薄いのですが、経済、文化に与えた影響は大きい。臨済宗の開祖で、喫茶の習慣を日本に伝えた栄西、曹洞宗を開いた道元も宋への留学僧でした▼ドラマに登場する宋銭は平安末期以降、広く流通しました。古代日本で鋳造された貨幣は質の悪化で民衆に見放されていました。宋から流入した銅銭が取って代わり、農業や手工業の発達で活発になった交換経済を支えました▼東京・上野の国立博物館で7月29日まで特集陳列されている「東洋の青磁(せいじ)」の28作品中、国宝「青磁下蕪瓶(しもかぶらへい)」をはじめ半数近くが宋代のものです。青磁は釉薬(ゆうやく)(うわぐすり)を塗って焼いた青色の土器です。透明感のある輝きは宝石の玉(ぎょく)にたとえられます。これも宋から日本に輸入され、技術が広まりました▼経済学者、故河上肇ら日本で愛好者の多い宋の詩人、陸游(りくゆう)は清盛の7歳下。同時代人です。陸游の詩には、世にいれられなくても政治批判に生きたさまが表れています。「老翁(ろうおう)一生此(こ)の山に居り/脚力尽きんと欲(ほっ)して猶(な)お躋攀(せいはん)す」。年をとり、足が弱ってもなお山をよじ登るという生き方がみごとです▼日本と中国はいつの時代も影響を及ぼしあってきました。今年は日中国交回復40周年。ドラマは不人気といわれますが、清盛のころから今に至る両国のつながりを考えさせてくれました。


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