2012年6月23日(土)

「崖の上のポニョ」の舞台

鞆の浦　架橋計画中止

広　島

（写真）「鞆の浦」にある常夜灯と船を係留する雁木（がんぎ）＝２００９年10月

　宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」の舞台のモデルとして知られる、瀬戸内海に面した景勝地「鞆（とも）の浦」（広島県福山市）の埋め立て・架橋計画について、同県の湯崎英彦知事が中止の意向を固めたことが２２日、分かりました。鞆地区の景観に配慮し、山側にトンネルを掘って橋の代替となる道路を整備します。

　鞆の浦は、江戸時代の石造り灯台や港湾施設が数多く残る景勝地。県は１９８３年に海の一部を埋め立て橋を架ける計画を立案しましたが、住民らが反対運動を展開、０９年１０月には広島地裁が事業差し止めを命じました。

　県は控訴しましたが、その後、湯崎知事が当選。同知事が鞆の浦の町づくりについて話し合う協議会を発足させるなどして、計画の是非を再考していました。

　日本共産党は、歴史的な景観を守れ、と０９年２月に穀田恵二衆院議員らが国交省に要請、国会、県・市議会でこの問題をとりあげ、住民とともに共同を広げ計画に反対してきました。