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2012年6月7日(木)

きょうの潮流

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 空が明るくなるたびに外へ飛び出し、日食グラスを目に当てる。が、流れくる雲に隠れる太陽。やがて、またもや雨。残念▼金星が太陽面を通り過ぎる現象の見物は、天気により東西で明暗を分けました。太陽を追いかけるように西へ西へと車を飛ばし、幸運をつかんだ人もいたようです▼東と西。東国に進出した源氏と西国に根を張る平氏の争いは、NHK大河ドラマ「平清盛」でも描かれます。清盛と源義朝が敵と味方に分かれた平治の乱の読み物『平治物語』に、金星が出ていました▼清盛を重く用いる信西(しんぜい)入道は、天文の占いで義朝らが兵をあげると予知する。山中へ逃げ、再び占うと、木星の位置があやしく、金星が昼でもみえる。死の予兆と思った彼は、逃げられないと悟る…。後世の作家は、2012年の金星の珍事をこう書くでしょうか。時の権力者は“消費税国会”の折、太陽面の通過に納税者の乱を予感し、おびえた▼金星にまつわる話をもう一つ。いまはイラクの古代バビロニアの神話は、金星を天の女神イシュタルとみなしました。恋する農業と牧畜の神に先立たれた彼女は、彼を追って冥土へ。冥土の女王は、イシュタルの美しさをねたみ彼女の体を腐らせます。が、なんと地上の草木も枯れ始めました▼驚いた太陽の神は、月の神、海の神と相談して助っ人を送りこみ、彼女をよみがえらせます。太陽と金星の天体ショーに、お似合いの物語です。同時に、こちらは農業と自然の大切さを説いているとも読める話です。


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