2012年6月5日(火)
非正規の労組 一堂に
全国のたたかいに勇気
全労連が交流集会
第20回「パート・派遣など非正規ではたらく仲間の全国交流集会」が2、3の両日、岡山市で開かれました。全労連の非正規雇用労働者全国センターの主催で、両日でのべ約880人が参加。各地のたたかいの成果や課題を報告し、「人間らしく働き続けられる職場・社会をつくろう」と交流しました。
議長あいさつ
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初日の全体集会では、非正規センター代表の大黒作治全労連議長があいさつし、「日本の労働運動の発展方向として、安定した雇用、均等待遇、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現に向けて、正規と非正規が力をあわせてたたかうことが必要だ」と指摘し、要求実現に向けてたたかいぬこう、と呼びかけました。
各地の代表がリレートークしました。
コープやまぐち労組の代表は契約期間の延長や賃上げなどの成果を積み重ね、パートの組織率を10年前の40%から61%に増やしたと紹介。教訓として「たたかいの中で組織は拡大する」とのべました。
北海道勤医協労組のパート部は6人だった組合員を倍に増やし、昇給制度を実現。福祉保育労福岡地本のある保育園分会では、3年の雇用期間制限が導入されたものの、撤回させたと報告しました。
岡山地域労組では、鋳物製造会社に派遣された日系ブラジル人約180人のうち約90人が組合に加入。ストライキをし、有給休暇の取得による皆勤手当のカットをやめさせたと紹介しました。
全労働岡山支部の代表は、労働行政の非常勤職員の時給は800円ほどで、昇給も賞与もないと告発。広島のパート・臨時労組連絡会の代表は、独自調査をもとに「25歳独身男性の最低生計費は月約22万円、時給1400円だ」と指摘し、最低賃金の大幅な引き上げを求めました。
集会は、国会で審議入りした有期雇用にかかわる労働契約法改定案について、規制を強化する方向での抜本修正を求める決議を採択しました。
暮らしと経済研究室主宰の山家悠紀夫氏が記念講演しました。
分科会と講座
2日目は分科会と講座で交流しました。
「非正規切りとたたかう」分科会ではマツダやいすゞ、日産、パナソニック、NEC、ダイキン工業などを提訴した原告らが一堂に会して論議しました。
ホンダといすゞの訴訟を担当する自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士は不当判決が続く現状について、裁判官が大企業の経済活動を重視し、「どこで労働者を負かすかと考えている」と批判。そのうえで「国民の心をつかむかどうかの勝負だ」とのべ、改めて世論を広げようと訴えました。
活動費など支援状況について、ダイキン工業争議(大阪)では三つの支える会があり、地元の堺市民ら600人に支えられていると紹介。原告団の男性は「勇気づけられる」とのべました。
NEC争議(熊本)では、水俣病の公害闘争などの経験に学び、支える会によって闘争基金がつくられていると報告されました。
マツダ争議(山口)では、原告団ら賛同者で月に1度の学習サークルを立ち上げ、次回のテーマは派遣労働と消費税です。原告団の男性は「世の中を学び、変えないと、裁判も終わらない」と語りました。