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2012年6月3日(日)

食料主権を宣言へ

きょうから米州機構総会

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 【ラパス=島田峰隆】南北米州35カ国が加盟する米州機構(OAS)の年次総会が3〜5日、ボリビア中部コチャバンバで開かれます。各国代表は、食料主権についての最終宣言を採択するほか、国民の社会的権利を明記した米州社会憲章を採択する予定です。

 ホスト国ボリビアが設定したテーマは「主権を伴った食糧安全保障」です。同国のチョケワンカ外相は、総会開催にあたっての会見で、中南米諸国が欧米諸国から農業生産も含めて経済発展モデルを押し付けられてきた歴史を指摘。「これが深刻な不平等や食料危機を生み出した」「各国がどう食料を得るか、それぞれの決定を尊重することが大切だ」と述べました。

 OASによると、中南米地域は農業生産力があるにもかかわらず、約5300万人が低栄養や飢餓に苦しんでいます。インスルサOAS事務総長も「輸出できるほどの食料を生産している地域がその土地の人を食べさせることができない理由はない。食料主権がテーマの会合は正当なものだ」と強調しました。

 ボリビア政府は、最終宣言のほかに、食料を得る権利、家族経営農業の保護など、個別テーマでも決議案を提案しています。

 最終宣言については、ほぼ合意ができたとされます。ただ食料主権の概念をめぐって「各国の自決権だ」とするボリビアの主張に対し、いくつかの国が異論を出しており、調整が続いているといいます。

 各国代表は、貧困とのたたかいを進め、国民の社会的、経済的権利を守ることを目指す米州社会憲章にも署名する見込みです。

 同憲章は、米国主導の新自由主義路線に対抗するものとして、2005年にベネズエラが提案し、同年のOAS年次総会で策定作業を始めることで合意していました。憲章の最終的な内容は明らかにされていませんが、ボリビアのディエゴ・パリOAS大使は5月30日、米国も含めて合意ができていると述べました。

 会議ではこのほか、アルゼンチンと英国がともに領有権を主張するフォークランド諸島(スペイン語名マルビナス諸島)の問題や、「海への出口」をめぐるボリビア・チリ間の領土問題、麻薬対策なども議論になるとみられます。


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