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2012年5月31日(木)

きょうの潮流

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 昔々の中国で、漢の劉邦(りゅうほう)が楚(そ)の項羽(こうう)に対して、最後の決戦をいどみました。のちの唐の文人が「一擲乾坤(いってきけんこん)を賭ける」といい表した、のるかそるかの大勝負です▼いまでは、「乾坤一擲」の言葉で知られます。「乾」は天、「坤」は地をさし、「擲」は投げつける意味です。さいころを投げつけ天地を賭ける勝負に出る。古代ローマのカエサル流なら、ルビコン川を渡る時の「さいは投げられた」にあたるかもしれません▼「会う以上は乾坤一擲だ」。野田首相は、一回限りの勝負のようにいって小沢一郎氏と会いました。消費税の増税法案を通すよう「協力してほしい」と頼んだ首相。小沢氏は「増税の前にやることがある」と語った、といいます▼乾坤一擲という大げさな語は、見せ場づくりには役立ったでしょう。首相は、大増税を推し進める政権の身内、自民党や財界に決意の強さを見せる。政治資金をめぐる裁判が続いて弱り目の小沢氏は、首相に「乾坤一擲だ」といわせるほど大物だと見せる▼項羽と劉邦は、約束していました。天下を二人で分け合い、互いに兵を引こう。劉邦の「乾坤一擲」の勝負は、約束破りのはかりごとでした。ルビコン川を渡ったカエサルは、内戦に勝ってみずからの独裁をうちたてます▼権力者の争いは現在に続きますが、紀元前の中国やローマと違い、いまの政治の主役は私たち一人ひとりです。民主党内の違いも、もとをたどれば、大増税を拒む主権者の声によります。さあ、この声をもっと強く、大きく。


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