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2012年5月31日(木)

海洋安保の協力促進

ASEANと中国 国防相会議で合意

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 【プノンペン=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)はプノンペンで29日、中国との間で国防相会議を開き、対話を強化することで合意しました。南シナ海の領有権問題が域内を不安定化させないよう、海洋安保での協力を促進することも確認しました。


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(写真)夕食会場で話し合うフィリピンのガズミン国防相(テーブル左から3人目)と中国の梁国防相(その右)=29日、プノンペン(面川誠撮影)

 会議後の夕食会では、中国の梁光烈国防相とフィリピンのガズミン国防相が隣り合わせの席に座り、28日の2国間会談に続き話し合いの場を持ちました。両国は南シナ海のスカボロー礁で警備船同士のにらみ合いを続けていますが、北京とマニラで事態収拾に向けた外交交渉も進行中です。

 カンボジアのニエン・パット国防次官は「ASEAN各国も中国も良好な関係を維持したがっている。今回の会議は短いものだったが、双方の意思を確認し合う機会になった」と評価しました。

 対話と協力の努力が進む一方で、東アジアで目を引くのが軍事予算増大です。経済成長に伴って軍備の近代化を進めているため、軍拡競争につながるとの懸念が出ています。

 フィリピン国防省高官は「今のところASEAN各国は、資金不足で手が回らなかった旧式の装備を近代化している段階で、軍拡競争ではない。ただ、潜水艦などの攻撃的な装備が進めば、相互に疑心暗鬼になる恐れがある」と指摘します。

 ASEANは武器登録制度の検討を始めていますが、ASEAN高官は「具体的な制度の導入までには時間がかかる」と言います。

 軍備統制の前にできる努力として、ASEANが進めているのは域外国との地域安保協力です。中国との会議に先立って開かれた第6回ASEAN国防相会議は、中国、米国、日本を含む計18国が参加するASEAN拡大国防相会議の枠組みで協力を強めることを確認しました。

 拡大国防相会議参加国は7月にハノイで、人道支援・災害救助をテーマにした高官協議を行います。南シナ海での領有権を争っている中国とベトナムが共同準備国です。


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