2012年5月30日(水)

中国前鉄道相除名処分

輸送取引で収賄と発表

mixiチェック

　【北京＝小寺松雄】中国共産党の規律検査委員会は２８日、昨年２月に鉄道相を解任された劉志軍党中央委員を党籍剥奪（除名）処分にすると発表しました。

　同委員会の昨年来の調査によると、劉氏は石炭運送などの取引があった北京博宥投資管理会社会長に便宜をはからい、その見返りに巨額の金品を受け取っていました。

　委員会は劉氏の一連の行為について、「一部の問題は犯罪の疑いもある」と指摘。違法所得は押収し、犯罪に関わる問題については司法機関に委ねることにしています。

　委員会は収賄金額を公表していませんが、中国メディアの報道では１０億元（約１２５億円）規模だったとされています。

　劉氏の鉄道相解任の５カ月後の昨年７月、浙江省で死者４０人を出す高速鉄道事故が発生。中国政府は昨年暮れに出した報告で、設備や運行に問題があったとして、高速鉄道建設を推進した劉氏に「主要な責任がある」と断じました。今回の規律報告でも劉氏は「鉄道部門にみられる深刻な腐敗問題に主な指導的責任を負っている」と指摘しています。