「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年5月28日(月)

シリア住民攻撃止まらず

子ら90人以上大虐殺

内戦懸念の声高まる

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【カイロ=小泉大介】シリアでは、先月12日に政府の合意による「停戦」が発効して以降も軍の住民攻撃は止まらず、25日には90人以上が死亡する「大虐殺」が発生する事態に至りました。国連の停戦監視団が展開するなかでの攻撃激化に、「内戦」を懸念する声が日増しに高まっています。


 大虐殺が発生したのは、中西部ホムス県のホウラ地区で、現地からの報道によれば、25日に住民が反政府デモを行ったところ、政府軍が迫撃砲などで攻撃し、26日未明まで断続的につづいたとされます。

 国連停戦監視団は26日、現地を視察。ムード団長は声明で「残忍な惨事だ」と非難し、「32人以上の子どもと60人以上の成人が殺害されたことを確認した」「このような暴力の行使は、さらなる不安定化をもたらすとともに、シリアを内戦に導きかねないものだ」と述べました。

 国連とアラブ連盟の合同シリア担当特使であるアナン前国連事務総長の「停戦」案は、シリア軍の市街地からの撤退や重火器の使用停止などを求めています。しかし、同案にもとづき国連停戦監視団が現在、250人以上展開しているにもかかわらず、シリア軍の攻撃は一向にやむ気配を見せていません。一方で自動車爆弾テロなどが頻発する事態も生まれています。

 アナン特使は今週にも再びシリア入りし、「停戦」に向けた調停努力を行う予定とされますが、国民のなかでは、事態改善に結びつかない同特使の役割への懐疑的な見方が広がっています。

 ホウラでの虐殺を受け、反体制武装組織「自由シリア軍」は26日の声明で、「国連安全保障理事会が市民を保護する緊急の手だてを取らないのであれば、アナン氏の停戦案は破たんする」と警告。また反政府主要組織のシリア国民評議会は同日、虐殺の死者は110人以上に達したとしたうえで、国連安保理に対し緊急会合を開催するよう求めました。

 英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は、昨年3月に軍による住民弾圧が開始されてからの死者は1万2600人以上に達し、4月23日の「停戦」発効以降も約1500人が死亡したとしています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって