2012年5月25日(金)
現行憲法の原則で現実の点検こそ
衆院審査会 笠井氏が強調
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衆院憲法審査会が24日に開かれ、現行憲法の条章ごとの検証について、意見を交換しました。
日本共産党の笠井亮議員は、「検証」にあたっては「改憲を前提にして一定の方向に導こうとする進め方はとるべきではない」と指摘。憲法13条の幸福追求権、25条の生存権に照らした被災者支援、原発事故対応のあり方などを例にあげ、「検証は、現行憲法の諸原則に照らして現実がどうなっているのかを徹底して点検することだ」と表明しました。
ところが、自民党の中谷元議員は、同党の改憲草案を配布し、「天皇を元首に」「明文改憲が必要」などと説明しました。
これに対して、各党の議員からは「憲法審査会の役割は各党の改憲案を提案して議論することではない。現行憲法をめぐる状況を、日本の社会のありように照らして検討することだ」(民主党の辻恵議員)、「この審査会は、具体的な憲法草案を審査する前に、現行憲法を審査するのが主眼。中谷委員が自民党の改憲草案に踏み込んだ発言をしたのは若干、遺憾」(公明党の赤松正雄議員)との批判が相次ぎました。
笠井氏は、「検証のあり方をめぐって各党委員からさまざまな意見があった。今後の進め方は改憲を前提とせず、きちんと検討すべきだ」と発言しました。
また、笠井氏は議論となった現行憲法第1章について、「主権在民の原則を明確に定めていることが重要」と指摘。「天皇は、憲法の定める国事行為のみを行う」とした制限規定の厳格な実施と、逸脱の是正が必要だと述べました。