2012年5月24日(木)
ユーロを救う好機に
ギリシャ 急進左翼党首が訴え
独で会見
【ベルリン=小玉純一】ギリシャの急進左翼連合のツィプラス党首は22日、ベルリンで会見し、6月17日の総選挙での同党の躍進が「ギリシャのユーロ離脱でなく逆にユーロを救う大きなチャンスとなる」と強調しました。同氏は会見に先立ちドイツの左翼党幹部と会談。緊縮中止、金融機関と富裕層への増税、経済刺激策を共同で呼び掛けました。
約200人の記者を前に、ツィプラス党首は、「緊縮を続ければ、(欧州からギリシャへの)第3次の融資、債務再編が必要となり、ギリシャは自国通貨に戻ることになりかねない」と指摘。ギリシャのユーロ離脱がユーロ危機を深め世界に打撃となるとして、同党が「ユーロを救う道を提案している」と表明しました。
欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)は2010年以降、緊縮を条件に2次にわたる金融支援をすることでギリシャと合意してきました。欧州一の経済大国ドイツは、その最大の拠出国であり、緊縮政策実施をギリシャなどに求めてきました。
ツィプラス氏は「緊縮は失敗した。ギリシャは5年連続の景気後退。欧州で平時にはなかったことだ」と強調。「ドイツの納税者は際限の無い支払いをいつまで続けるべきなのか」と問い、「資金は一見ギリシャ経済に流れているようだが、実際には銀行と銀行家に流れているだけだ」と指摘。「緊縮でなく経済成長と雇用に基づく金融支援策を当初からとっていれば、ギリシャは立ち直り債務を返しただろう」と述べました。