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2012年5月17日(木)

ギリシャ来月再選挙

緊縮政策 EUの対応も問う

反緊縮派が第1党の可能性も

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 債務危機で混乱が広がるギリシャで15日、連立政権協議が不調に終わり、再選挙が実施されることになりました。投票日は6月17日が有力視されています。自力での債務返済ができない下で国の進路を改めて問うとともに、ギリシャへの支援と引き換えに過酷な緊縮政策を押し付けてきた欧州連合(EU)の対応も問う選挙になります。 (ロンドン=小玉純一)


 6日実施の総選挙で、連立与党を構成していた二大政党、全ギリシャ社会主義運動と新民主主義党は、合計得票率を前回77%から32%まで減らし、議席は合計しても過半数に届きませんでした。債務返済を理由に増税や年金切り下げなど緊縮政策を進めてきた両党に国民は「拒否」を突きつけました。

 一方、緊縮政策の撤回を主張する急進左翼連合が第2党へ、新民主主義党から離れた議員らによる新党・独立ギリシャ人が第4党になるなど、反緊縮派の党が軒並み伸長。14日報道の政党支持率調査によると、再選挙では急進左翼連合が第1党を奪う可能性も出ています。

 急進左翼連合は先の総選挙で、経済危機脱出の方針として▽市民の最低限の収入、失業手当、医療保障の確保、付加価値税(日本の消費税)の減税▽債務の利払い停止、債務取り消し交渉など債務負担の処理、金融機関の投機の規制▽富裕層への課税と、軍事費をはじめ不要な歳出の全面カット―などを主張。その一方、EUと欧州単一通貨ユーロ圏からの離脱は提起していません。

 6日の総選挙は、債務返済のための融資と緊縮政策の押し付けという、財政破綻したギリシャに対するEUの方針への審判でもありました。

 急進左翼連合は選挙後、EU首脳に書簡を送付。「景気後退が5年目となり、EUの方針では、EU自身が掲げたギリシャに関する目標を達成することも、ギリシャ経済の不均衡を是正することもできなかった」と指摘。選挙の審判に従ってEUの方針を再考するよう求めました。

 他方、ドイツ、オランダなどはギリシャに対し、緊縮政策の継続を引き続き求めています。

 再選挙で緊縮政策を国民が改めて拒否する場合、EUが対応を変えなければギリシャの債務返済は不可能となります。そのためユーロ危機の拡大やギリシャのユーロ離脱の可能性も指摘されています。

 ギリシャ国民の8割はユーロ圏に残ることを支持しています。新民主主義党は再選挙に向けて早速、「ユーロ賛成」を訴え。これに対し、急進左翼連合は「『緊縮かユーロ離脱か』は脅しだ」と反論しています。


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