2012年5月16日(水)
日航解雇、世界の異常
パイロットの国際労組声明
日本航空にパイロットと客室乗務員の解雇撤回を求める訴えを棄却した3月の東京地裁判決に対し、日航が加盟するワンワールド・アライアンス(航空連合)各社のパイロットたちが抗議し、解雇された人たちを職場に戻すよう声をあげました。
ワンワールド加盟各社のパイロット2万8000人以上が所属するワンワールド乗員組合連合会(OCCC)は1日、パリで開いた定期大会で、日航の不当解雇は安全を脅かすとして、東京高裁に控訴した日航労働者たちを支持する声明文を採択しました。OCCCは昨年11月にも、年齢の高さと傷病履歴を基準にしたパイロットの解雇に対して危機感を表明し、全会員の総意で公正な判決を求めるパヌ・マキ委員長の陳述書を東京地裁に提出しています。
声明は、陳述書を無視して出された東京地裁の不当判決について、「差別を容認するものであり到底受け入れられない」と強調しています。「年齢による差別」は多くの国々で違法であり、世界標準から逸脱しており、「傷病履歴による差別」は、パイロットが体調不良であっても、職を守るために乗務を強要することにつながり、安全運航を阻害すると訴えています。
声明は、日航経営に対しても、労使の信頼関係を取り戻し、日航の健全な運航を継続するために自主解決するよう要求しています。