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2012年5月12日(土)

政府が沖縄振興基本方針

那覇空港第2滑走路を明記

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 政府は11日、新たな沖縄振興策の指針となる基本方針を決定し、首相官邸で開いた沖縄政策協議会で報告しました。

 基本方針は、「沖縄振興の方向」として、観光産業や情報通信産業に加えて、「国際物流拠点産業等を新しいリーディング産業として確立していく」と指摘。那覇空港の機能強化に向け、「適切な財源の確保を前提とした第2滑走路の整備を図る」と明記しました。

 協議会には野田佳彦首相と全閣僚、沖縄県の仲井真弘多知事が出席しました。首相は「沖縄の潜在力を引き出すべく、国と県で手を携えて真摯(しんし)に振興に取り組んでいく」と強調。知事も「県の主体的な取り組みを尊重するものだ」と評価しました。

 基本方針はまた、県民所得の向上や失業率の改善、子ども・若者の育成、離島・へき地対策など、「潤いのある豊かな住民生活の実現」を明記。農林水産業や中小企業の振興、公立学校施設の改築・改修、鉄軌道など公共交通整備に向けた調査・検討を進めることも盛り込みました。

 基本方針をふまえ、県は今後10年間の具体的な計画を策定します。3月に成立した改正沖縄振興特別措置法で計画の策定主体が国から県に改められました。


解説

空港軍民固定化の恐れ

 くらしが厳しい沖縄県民の生活向上のための振興計画が必要なことは大前提です。観光産業や農林水産業の振興、雇用創出、鉄軌道などの公共整備に向けた調査・検討は進めるべきです。

 一方、新たに決定した沖縄振興策の基本方針の目玉の一つとして那覇空港の第2滑走路の整備が盛り込まれましたが、これについては自衛隊との軍民共用の固定化・強化などの問題点があります。

 那覇市議会や沖縄県議会がこれまで何度も決議・意見書で求めてきたように那覇空港の民間専用化が県民の願いです。現在の那覇空港は自衛隊機の発着数が全体の2割を占めます。2010年末に決定した新防衛大綱・中期防では、航空自衛隊・那覇基地の戦闘機部隊を1個飛行隊から2個飛行隊に増強する予定です。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は2009年4月の沖縄・北方特別委員会で新滑走路ができた場合に自衛隊機の発着を増やすのかと追及。防衛省側は否定しませんでした。

 新たに米軍が使用する足がかりになる恐れも。ジム・ウェブ米上院議員(元海軍長官)は雑誌のインタビューで「那覇空港の滑走路を(日米)共同使用できる施設に拡張することを提案している」と述べています。

 国や県の検討している新滑走路案は、那覇空港沖に位置する大嶺干潟を埋め立ててつくる計画です。埋め立てにはばく大な費用がかかり、同干潟は多様な生物のすむ県内最大の礁地で環境保全の面からも懸念の声があがっています。(洞口昇幸)


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