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2012年4月30日(月)

きょうの潮流

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 「すべての人間から切り離され、完全な孤独を感じた」。映画「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督が語ります▼キャメロン監督は3月末、世界でもっとも深い太平洋マリアナ海溝の底へ潜りました。水深1万898メートル。たった1人、潜水艇に乗って。単独でここまで潜った人は、監督が世界で初めてです▼「宇宙に出かけ、ほかの惑星に行って帰ってきたような気分だ」。魚もすまない闇の別世界でした。映画づくりのためだけに潜ったのではありません。監督が持ち帰った海底の泥に、関心が集まります▼もし未知の微生物が含まれていたら、地球以外の星の生命体探しに役立つかもしれないのです。専門家が注目する天体の一つに、木星の衛星エウロパがあります。厚い氷の下に、マリアナ海溝の底のように光の届かない、大きな海が隠れているとみられる星です▼先日、日本の探査船「ちきゅう」が、世界記録を塗りかえ、ドリルで海底のもっとも深くまで掘り進みました。宮城沖の日本海溝。6883・5メートル海底を856・5メートル掘り、海面から7740メートルへ。あと約150メートル掘り、3・11大津波を引き起こしたプレート(岩板)境目の断層を調べます▼断層が壊れた時の摩擦で生じた熱や岩石の性質などを割り出し、大津波が起きるしくみに迫る調査です。地球を知り、宇宙に思いをはせる、海底の謎に挑む人々。キャメロン監督がいいます。「そこに、なにがあるか分かっていたら行かない。分からないから行かなければ…」


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