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2012年4月29日(日)

きょうの潮流

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 連休中、山へ登る人も多いでしょう。登山に欠かせない縮尺2万5千分の1地形図をめぐって議論が続いています▼一つは国土地理院が紙地図の発行をやめること。インターネットの電子地図が取って代わり、書店で買える紙の地形図はいずれなくなります。電子地図を印刷する有料サービスを提供する計画ですが、学校教育や登山のため紙地図の存続を訴える人は多い▼もう一つは紙地図に記載されていた送電線が電子地図にないことです。送電線は重要な目印です。現地で地図と照らし合わせて自分の位置を知ることができます。登山の遭難防止、内海なら航行の安全のため必要性は高い▼国土地理院が電力会社に送電線の位置情報を求めたのに、提供されなかったことが原因です。「保安上の理由」で拒んだ社もありました。紙地図上の送電線は国土地理院が測量したもの。予算、人員不足で現地調査が難しくなり、電力会社に協力を頼みました。依頼は今後も続けるといいます▼現地に行けば誰でもわかる送電線の位置を教えないことに意味があるのか。今まで地図に載っていた情報です。危険な原発は電子地図に載っています。テロ対策なら原発を日本からなくす方がよほどいい▼「戦時を思わせる」という声も上がりました。登山家、深田久弥(きゅうや)は著書『日本百名山』で、伊豆半島の天城山が戦時中「要塞(ようさい)地帯」とされ、地図がなかったと書いています。国土を表す地図は国民の財産です。地図に空白のある歴史を繰り返してはなりません。


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