2012年4月27日(金)
柏崎刈羽原発周辺5カ所
津波痕跡を確認
東電調査
東京電力は26日、柏崎刈羽(かりわ)原発(新潟県柏崎市、刈羽村)周辺で江戸時代以前の津波の痕跡を調査した結果、新潟県の本州側沿岸と佐渡島沿岸の計5カ所(海抜0・5〜4メートル)で、津波の影響とみられる堆積物があったと発表しました。
調査は昨年11月から今年3月にかけて、柏崎刈羽原発に近い新潟県の本州側沿岸の9地点と、佐渡島沿岸の2地点の55カ所(深さ1〜7メートル)から試料を採取。津波によって海から陸地に運ばれてきた砂などの津波堆積物の有無を調べました。
調査の結果、佐渡島沿岸で3カ所、新潟県の本州側沿岸の2カ所で津波による可能性のある堆積物が確認されたといいます。調査した堆積物は600〜7000年前のもので、最も古い津波の痕跡は5000年前でした。
佐渡島の下久知地区(海抜1メートル)で確認された堆積物は、1833年の「天保山形沖」の津波記録と一致しているといいます。当時の津波は山形県から新潟県に至る海岸と佐渡島を襲い、約100人が亡くなったとされています。同じ地区で海抜4メートルの場所では4000年前とみられる津波堆積物が確認されました。
本州側では出雲崎町井鼻地区で海抜3・5メートルの場所で確認されています。東電の資料では、これまでの知見は同地区で最大2・5メートル程度としていました。
堆積物は見つかったものの、津波によるものと判定できないとされたのが7カ所(海抜マイナス1・5〜8・5メートル)ありました。
同原発で想定する津波高さは3・3メートルです。津波の想定については国や自治体が検討しており、東電は「引き続き知見を収集・検討し、津波評価につなげたい」としています。