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2012年4月24日(火)

仏大統領選

オランド氏が首位

サルコジ氏と決選投票へ

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 フランス大統領選の投票が22日行われ、即日開票の結果、社会党のオランド候補が現職サルコジ候補を抑えて首位となりました。いずれの候補も有効投票数の過半数を獲得しなかったため、両者の間で来月6日、決選投票が行われます。(米沢博史)


 開票率99%時点で各候補の得票率は、オランド氏28・6%、サルコジ氏27・1%、極右・国民戦線のルペン候補18・0%、左翼戦線メランション候補11・1%などとなっています。投票率は80・2%でした。

 再選を狙った現職大統領が第1回の投票で首位になれなかったのは、1958年に発足した第5共和制下で初めて。サルコジ氏にとって厳しい結果となりました。

 首位となったオランド氏は同日、支持者を前に、選挙結果を「サルコジ政権への制裁だ」と評価。決選投票をにらんで自らを「変革の統一候補」だと押し出しました。

 2位のサルコジ氏は「国民が苦悩しつつ投票したことを理解する」と述べるとともに、決選投票ではすべての国民が党派を超えてサルコジ氏のもとに結集するよう求めました。

 3位となったルペン候補は「金融・多国籍企業のための二大政党の支配を打ち破る」と演説。決選投票への態度は表明しませんでした。一方、4位のメランション候補は、決選投票で「サルコジを倒そう」とオランド支持を呼び掛けました。

 有権者の出口調査による票の流れの予測によれば、決選投票でもオランド氏がサルコジ氏に対し6ポイント以上の差をつけています。

解説

経済低迷・格差拡大に「ノン」

 サルコジ政権5年間の「実績」をめぐり、財政や失業の問題が最大の争点となった大統領選挙。サルコジ氏が再選をめざす現職として初めて首位を奪えなかった事実は国民がサルコジ政権に対し「ノン」を突きつけたものといえます。

 サルコジ氏は前回(2007年)、「もっと働きもっと稼ごう」のスローガンで大統領に当選。週35時間労働制の大幅な緩和など労働分野での規制緩和を進めました。しかし、経済は低迷し、「5%に下げる」と公約した失業率は、5年間で8%台半ばから10%近くまで上昇。貧困率も上がり、貧富の格差が拡大しました。

 また、欧州金融・債務危機のなかで、教職員削減や付加価値税(日本の消費税に相当)増税を決めるなど国民に負担を求める「緊縮政策」路線を追求してきました。

 これに対しオランド氏は選挙戦の中で、「(失業の増大や雇用の不安定化で)もっと働かなくなり、もっと稼げなくなった」「サルコジ政権こそ購買力を下げ、経済を失墜させ、財政悪化を招いて危険」と批判し、サルコジ政権からの「変革」を中心に訴えてきました。

 事前の予想を超える極右ルペン氏の得票率は国民戦線として過去最高に達しました。同氏の最大の政策的強調点は移民規制の抜本的強化であり、景気低迷と財政赤字問題を背景に、一部有権者の間に反移民感情が強まっていることをうかがわせます。これが決選投票にどう影響を及ぼすか注目されます。

 一方、「第3の候補」に躍進かと期待された左翼戦線のメランション氏は、得票率11%台にとどまり、日本でいう「死票論」を打破しきれなかったことが一つの要因とみられます。


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