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2012年4月18日(水)

きょうの潮流

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 東京の郊外、玉川上水に沿って歩きました。雨上がりの朝でした。土手の新緑がひときわ映えます▼まだ萌黄(もえぎ)色のケヤキの葉っぱ。鮮やかなカエデの若葉。シデノキやウツギは、もう青葉に近い。濃淡あやなす緑の下で、色とりどりの花がわが世の春をうたいます。ニリンソウにスミレ、ヤマブキにオドリコソウ…▼そして、サクラです。少しずつ色合いの違うヤマザクラの並木が、遊歩道の先々まで続きます。路上に花じゅうたん、水の流れに花いかだ。時折、花が舞い散る。「花吹雪」をいちばん美しい日本語とたたえた人は、誰だっけ?▼いま、ヤマザクラが花を添える山の新緑はいかほどでしょう。しかし、やはり思い出してしまいます。昨年3月、震災と原発事故が起きた時、東北や関東北部の山は冬の眠りから覚める前でした。葉の茂っていない落葉樹林に飛んできた放射性物質は、雨などで、落ち葉層にたまりました▼落ち葉層の分解とともに、それはしだいに土にしみこみます。落ち葉層のキノコを食べた動物も、体内に取り込みます。森林の中で、放射性物質の循環が始まったのでしょうか。葉をつけていた常緑樹林では、枝や葉についた高い濃度の放射性物質が、雨や落ち葉でだんだんと土に落ちます▼福島県の場合で、森林は県土の7割を占めます。森林は、水源です。流れ出た放射性物質が、田、川や海、魚たちも汚染しています。わが国土の嘆きの春。除染もままならないのに、大飯原発の運転再開とは、気がしれません。


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