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2012年4月15日(日)

きょうの潮流

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 「タイタニック号の沈没は、人類の記憶の中にいかりを下ろしている」。国連教育科学文化機関(ユネスコ)のボコバ事務局長の言葉です▼豪華客船タイタニック号が大西洋で沈み、1500人以上が命を落とす悲劇を起こしてきょうで100年。ユネスコは先に、4000メートル海底に眠る残がいを、水中文化遺産と定め保護すると決めました▼沈没時の船内は、階級社会の縮図でした。上の階で、1等室の実業家や貴族がきらびやかな社交をくり広げる。下の3等室で、アメリカへ渡る移民など貧しい人々がひしめく…▼救命ボートは全員の乗れる分がなく、3等室の人の死亡率は1等室の人よりずっと高い。女性で54%対3%。「安全神話」も広まっていました。二重底に防水壁。もうけ優先の船主らが「事実上沈まない」船と宣伝していました。「安全神話」の危険は、のちにチェルノブイリやフクシマで、またもやあらわになります▼不沈伝説が打ち砕かれた時、最後まで船と乗客を救おうとした人たちが、石炭をたくボイラー室の労働者です。船の動力源を守り、浸水でボイラーが水蒸気爆発を起こすとみると火を消し、停電が乗客の避難を妨げるとまた火をつける。彼らは、誰も助かりませんでした▼まるで、いまの世界のようです。もうけを追い求めるあまり、地球環境を壊し、経済をかき乱す大会社や投資家。対して、地球を守り人間社会を立て直そうと努める労働者や市民。もちろんそれは、人間等しく生き残るためのたたかいです。


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