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2012年4月13日(金)

主張

米軍移転経費

外国の基地にまで税金使うな

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 野田佳彦首相は連休中に昨年9月の就任後はじめて公式にアメリカを訪問し、オバマ大統領と米軍再編見直し問題などを話し合う予定です。

 日米両政府は首脳会談前に米海兵隊の再配置などについての「中間報告」をまとめ、首脳会談で米軍再編見直し協議を加速させようとしています。見直しの焦点の一つが沖縄での新基地建設と切り離したグアム移転などの経費の負担問題です。アメリカいいなりでは日本の負担は大きくなるばかりです。米軍基地に苦しむ沖縄県民をだしにした米軍再編経費の異常な負担はやめることが重要です。

日本側が「打診」

 2006年の「日米合意」は米海兵隊が移転するグアムでの基地建設費のうち、6割にあたる60・9億ドル(当時のレートで約7100億円)を日本が負担すると決めています。沖縄の米海兵隊8000人とその家族9000人をグアムに移転することを前提にしています。

 しかしこの沖縄海兵隊のグアム移転計画は、移転とパッケージ(一括)にした沖縄での新基地建設計画が県民のたたかいで行き詰まったうえ、アメリカ国内でも議会などから軍事費削減を迫られ、破綻しています。このためアメリカ政府は移転する海兵隊の数を削減し、一部をハワイなどに移転するとしています。

 アメリカ側の都合で合意をほごにした以上、日本のグアム基地建設費の負担は取り消すのが筋です。ところが日本政府は負担額の削減すら要求しません。逆にアメリカの負担増要求に応える方向で検討をはじめています。しかもグアム周辺のテニアンなどの米軍基地を自衛隊が訓練のために使うという名目で、新たにその整備費まで負担する案まで打診しています。アメリカ政府の歓心を買うことしか考えない野田政権の卑屈な姿勢を示すものであり、まったく道理はありません。

 グアムやテニアンなど、外国にある米軍基地のための費用を負担するなど世界にありません。世界に例がないと外務省も認めています。アメリカいいなりに増額を受け入れるのは野田政権が主権を守る意思も姿勢もないことを示すものです。

 もともとアメリカがグアムなどに海兵隊を再配置するのは、アジア太平洋重視の軍事戦略のためです。日本が費用を負担するのは戦争支援行為そのものです。戦争を放棄した日本がアメリカの戦争拠点づくりのために費用負担するのは、明白な憲法違反です。日米安保条約にも米軍地位協定にも根拠がありません。どんな口実を並べ立てても、グアム移転費などの負担は許されるものではありません。

国民は納得しない

 玄葉光一郎外相は、10日の日米外相会談で米軍再編経費の負担は「日本国内で十分説明できるものでなければならない」とのべました。グアムでの米軍基地建設費はもちろん、グアム以外の米軍基地の整備費の負担は国民に説明のつかないものであるのは明らかです。国民の血税を一円たりとも使うのは許されません。

 道理のない米軍のための費用負担をやめ、むだな軍事費を削り、東日本大震災の復興と国民生活のために使えという国民の願いに応えることこそ、政府の務めです。


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